Z選択的分子内HWE反応によるa,b-不飽和マクロラクトンの合成
Z-a,b-不飽和マクロラクトン構造は数多くの生理活性マクロライドの主骨格であり、その効率的な合成法の開発は極めて重要です。我々は当研究室で開発したZ選択的Horner-Wadsworth-Emmons反応を分子内環化反応へと発展させ、12-18員環のZ-a,b-不飽和マクロラクトンを極めて高いZ選択性で合成することに成功しました(下図)。なお、(EtO)2P(O)骨格を有するホスホネート試薬を用いることで、同様の12-18員環a,b-不飽和マクロラクトンがE選択的に得られることも確認しています(52-82% yield, 89-99% E)。
Ando, K.; Narumiya, K.; Takada, H.; Teruya, T. Org. Lett. 2010, 12, 1460-1463.