新規ドミノ反応による光学活性シクロペンテンの合成
ドミノ反応は、1つの反応を端緒としてドミノ倒しの様に複数の反応が連続して起こるプロセスであり、複雑な化合物の効率的合成に有用です。我々は、ヌクレオシドから誘導したJulia-KocienskiスルホンをDBUなどの塩基で処理すると、ドミノ反応を経由してシクロペンテンヌクレオシドが1段階で得られることを見出しました。加えて、本反応系にチオールやチオカルボン酸などの求核剤を共存させることで、核酸塩基がこれらの求核剤と置き換わったシクロペンテンが得られることも見出しています。得られるシクロペンテンは、生物活性炭素環ヌクレオシドやシクロペンタン誘導体の合成中間体として有用であると期待されます。
1) Oka, N.; Kanda, M.; Furuzawa, M.; Arai, W.; Ando, K. ChemRxiv 2021, DOI: 10.33774/chemrxiv-2021-j0rc0.
2) Oka, N.; Kanda, M.; Furuzawa, M.; Arai, W.; Ando, K. J. Org. Chem. 2021, 86, 16684-16698.