研究内容


1. 園芸植物栽培における菌根菌共生機能の利用及び相互作用解析
 有用微生物であるarbuscular菌根菌(AMF, 菌根菌)は植物の根に感染して主に土壌中のリンを宿主に供給し、共生関係が成立した宿主生長を促進する共生菌です。菌根菌は、生物肥料、生物農薬的機能を有しており、リン資源の有限性、持続可能型農業の探索を背景として、国内では地力増進法により政令指定されています。当研究室では、園芸植物における環境ストレス耐性(温度ストレス耐性, 耐塩性, 耐病性, アレロパシー耐性等)の菌根菌による生物的制御法の確立、耐性機構解明を行っています。また、環境及び食に対する安全性の高い園芸植物栽培技術として菌根菌機能の利用を検討しています。

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2.  野菜の耐塩性誘導及び耐塩性誘導機構
 
塩害土壌における野菜栽培では耕地除塩に長期間・コストを要し、耐塩性野菜は限定されることから野菜種低依存型の耐塩性付与技術が急務となっています。そこで、菌根菌による耐塩性誘導、植物体生長促進、環境ストレス応答を利用した機能性成分(遊離アミノ酸, 抗酸化物質等)増大による野菜の高機能化、耐塩性誘導機構解明を行っています。 


3. シソ科ハーブ2次代謝成分の機能性解析
 
抗酸化・抗菌作用が期待されるシソ科ハーブ14種を対象とし、植物体抽出物及びコンパニオンプランツ・カバークロップ法による植物生育促進・耐病性誘導、組織培養等を行っています。      


4.  オタネニンジンの忌地現象発生機構及び総合的生育改善
 
薬用植物であるオタネニンジンの忌地現象(生育不良, 改植障害)発生因子の解明、菌根菌による植物体成長促進機能を利用した生育改善・2次代謝成分制御法の検討を行っています。