現在、異常気象やそれに伴う災害も増えてきており、我々の経済活動にまで影響する事態となってきています。地球的な規模での温暖化がその原因と考えられ、それを解決するには現在の化石燃料を基盤とするエネルギーシステムから、環境に優しいエネルギーシステムを今世紀前半には構築する必要があります。この新しいエネルギー源の一つとして太陽光発電が注目されています。太陽光発電は無尽蔵でクリーンなエネルギー源であり、エネルギー問題と環境問題を緩和するための石油代替エネルギーとしての期待が大きい技術です。この太陽光発電を基幹電力の一部を賄う将来の電力用電源として位置付ける社会的な要請が強くなっており、次世代の数兆円産業に成長させてゆくためにも太陽光発電システムの研究開発の重要性が増しています。
岐阜大学未来型太陽光発電システム研究センターは、この様な社会的な要請により平成18年に設立された、国立大学法人では初めての太陽光発電関連の研究センターです。当センターでは、次世代太陽光発電に貢献するために薄膜太陽電池の高効率、大面積、長寿命・高信頼性、低コストに関する開発研究、発電施設として実用化するための新しいシステム研究開発を目指しています。設立時の3研究部門である「薄膜シリコン系太陽電池研究開発部門」、「発電量評価技術研究開発部門」、「色素増感太陽電池研究開発部門」に加え、平成20年度に「太陽電池モジュール評価技術研究開発部門」、平成22年度には「ハイブリッドエネルギーシステム研究開発部門」を設置し、本研究センターの研究内容を広げました。
日本および世界のために環境調和型エネルギーシステムの構築に当センターが貢献できるよう、センター員一同努力する所存です。また急速に進みつつある地方自治体および産業界との連携を更に促進させるとともに、これからの太陽光発電産業を支えていく人材育成も重要な使命と考えています。当センターに対する皆様方の温かいご支援とご協力をお願いいたします。