その他







キリスト教と文学

近代文学におけるキリスト教の教義(主として福音主義的なキリスト像)の浸透性についての各論として、大岡昇平の『少年』論および、小林秀雄の『罪と罰』論の分析を行っています。
 
 後者の場合、同情による癒しを与える女性像の造形は、小林の批評原理 における<小説>の構造性と密接に関係しているため、論中ではキリスト教の問題は、主として認識論の問題としてとらえられています。



 

   論文リスト

 「大岡昇平『少年』−スノビズムと神−」(「昭和文学研究」、1991.7)

 「小林秀雄における<他者>−『罪と罰』論を中心に−(「日本近代文学」 1995.5)




関連サイトのリンク
ロシア文学・情報リソース(北海道大学 スラブ研究センター) 1998.8.21
総合講座「聖書の文化史」−『罪と罰の世界』−(早稲田大 井桁貞義さん) 1998.8.21






田山花袋の描写論

田山花袋の「蒲団」から「生」「妻」「縁」三部作執筆期の彼の描写論(「平面描写」論ほか)とその作品群とを分析した論です。

 中村光夫「風俗小説論」でも強調された花袋の私小説の主情性は、むしろ花袋自身も自覚していた構造上の欠陥というべきで、初期の彼は「ジェルミニー・ラセルトゥー」、「ベラミ」等のヨーロッパ小説の語りのとりこみを意図しており、作中での<語り手>の相対化の試みを「印象描写」に至るまで一貫して模索していたという観点から、作品を読み直しています。


 

  論文リスト


 「田山花袋の『平面描写』論−明治文学における作中人物相対化の一様相− 」
    (「国文」(お茶の水女子大学)62 1985.1)

 「田山花袋『平面描写』再論−印象描写へ至る語り手の問題−」
    (「岐阜大学国語国文学」18 1987.3)



  参照用Webリンク





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