園芸学研究室では,バラに関する研究を中心に,様々な研究が行われています。
過去に発表された研究論文一覧は,下のアイコンをクリックしてください。
現在,園芸学研究室では,こんな研究が行われています。
研究課題名 | 資料の取り出し |
育成者権の保護のための,切りバラからの無断増殖の抑制方法の開発 | |
園芸植物の4倍性個体の育成 | |
園芸産業での堆肥の利用の促進のための研究 | |
バラの根頭がんしゅ病と根腐病に対する複合抵抗性台木の育成 |
園芸学研究室の卒業論文や修士論文では,こんなテーマで研究が行われています。
最近まで,こんな研究が行われていました。
研究課題名 | 資料の取り出し |
バラの根頭がんしゅ病抵抗性機構の解明 | |
バラの根腐病抵抗性機構の解明 | |
ミニバラ鉢物生産におけるEbb & Flowシステムを用いた自動潅水システムの構築 | |
ノイバラ(Rosa multiflora)とヤエヤマノイバラ(Rosa bracteata)の4倍性個体の育成 | |
レタスの高鉄含量品種の選抜と育成 |
過去には,こんな研究が行われたことがあります。 【工事中】
1993〜2007年の園芸学研究室の卒業生は,83人です。
このうち,園芸業界に就職したのは57人で,全体の69%にあたります。また,公務員や農協,園芸店などの自営を含めると83%(69人)が園芸学の知識を活かした職業に就いています。
学部4年間,あるいは大学院で得た知識を実社会で活かし,育種や種苗生産,農業資材の販売など多様な企業で活躍しています。
農業資材販売会社では,生産農家の方々への技術的な相談や指導などを行いながら,的確な有用資材を販売する技術営業職や,新しい資材の開発,海外からの資材の輸入などの業務を行っています。
園芸学研究室の卒業生の特徴として,実際の生産会社への就職があります。実学としての園芸学を学んで実際の生産部門で活躍する卒業生,そして農業後継者として農業を担っている卒業生がたくさんいます。
主な就職先を以下に挙げてみました。
業界分類 人数 企業名(アイウエオ順) 農業資材販売 18 イシグロ農材(株),揖斐川工業(株),クミアイ化学工業(株),自然応用科学(株),住化農業資材(株),東海物産(株),トヨハシ種苗(株), (株) 花ごころ,丸伸興業(株) 園芸植物生産 10 清見園芸育苗センター,(株)岐孝園,(有)岐大かだん,(有)セントラル・ローズ,(有)角田ナーセリー,(有)西垣園芸,(株)飛騨セルトップ,(株)ローズ・オブ・ローゼズ 種苗育種・販売 9 京成バラ園芸(株),住化農業資材(株),(株)ハクサン,福花園種苗(株),(株)フジイシード,(有)フローラトゥエンティワン,(株)ベルディ,(株)ミヨシ,横浜植木(株) 市場 4 兵庫県生花(株)大阪植物取引所,豊明花き(株),名古屋青果(株),(株)フラワーオークションジャパン 研究開発(植物) 3 キリンアグリバイオ(株)植物開発研究所,中部電力(株)エネルギー応用研究所,和歌山県農 植物バイオセンター 農業後継者 9 バラ,花苗,花鉢物,野菜,柿 高等学校教員 5 岐阜県,愛知県 地方公務員 3 岐阜県,滋賀県 農業協同組合 2 愛知県,福井県 他大学大学院 4 名古屋大学,名古屋市立大学 一部関連企業 4 イオン(株),住友林業緑化(株),中外テクノス(株),(株)明智ゴルフ倶楽部 食品関連 3 名古屋製酪(株),フジパン(株),マルサンアイ(株) 他業種 7 (株)アビバ,ダイナパック(株),(株)ダイフク,東海東京証券(株),トピックス(株),(株)阪奈自動車教習所,三菱重工業(株)
園芸学研究室を専攻した学部4年生の進路
(1993年以降)
園芸学研究室を専攻した学部4年生の45%が岐阜大学大学院に進学します。
園芸学は,基礎知識と応用知識が共に必要とされます。より専門的な応用知識を習得するために大学院への進学率が高くなります。
一般に企業への就職の場合,学部卒業者は「一般職(総合職)」としての扱いがなされます。就職後の数年間の研修を終えた後に,本人の適性を踏まえて担当部署への最終的な配属が行われ,その後も様々な部門への配置換えを経て,会社内での役職が上がっていきます。
これに対して,大学院修了者は2年間の専門的な知識や技術を習得した者としての扱いがなされます。入社当初から「専門職」として位置づけられて,主に研究・開発部門などの会社内での専門的な部署に配属されます。
このような状況から,専門的な職種への就職を希望する学部学生は,自ずと大学院への進学を希望するようになってきます。
岐阜大学園芸学研究室は,他大学から大学院に進学してくる学生が多いことも特徴の1つです。1993年から2007年までの15年間に17人の学生が他大学から大学院に入学してきました。主な出身大学は,岐阜大学教育学部,名城大学農学部,愛知教育大学,南九州大学園芸学部,近畿大学農学部,千葉大学,岡山理科大学,長浜バイオ大学などです。
園芸学研究室 Q&A コーナー
園芸学研究室の学部学生の大学院進学率が高いのは何故ですか? | 一般に学部4年生を卒業した学生は,企業では一般職といわれる業種に就くことが多いようです。これに対して大学院修士課程を修了した学生は専門職といわれる職業に就くことが多くなります。 学部4年生を採用した企業は,数年間の社内研修などを経て,個人の能力や素質,特性などを判断して職場を決めていきます。これに対して大学院修了者は,専門知識を既に備えた専門技術者として判断され,入社後には即戦力として職場に配属されます。 企業の人事担当者によれば,「学部4年生に対しては,入社後に自社で必要な研修をして自社に必要な知識や技術を与えます。その内容が理解できる大学卒業程度の学力があれば結構です。これに対して大学院修了者は既に2年間の専門知識を持っていると判断しているので,できるだけ早期に専門的な技術や知識を発揮してもらいたいと考えています。」 すなわち,学部4年生では専門職としての仕事に就くことは極めて難しく,専門職に就きたいと希望する学生は自然と大学院に進学することになります。 |
卒業研究や修士論文の内容は就職と関係しますか? | 基本的には関係はありません。学生を採用しようと考える企業の中には,岐阜大学の園芸学研究室と密接な関係を持ちたいとの考えから,学生の採用を希望する企業もあります。 しかし,園芸学研究室で行われている研究内容や研究方法は全ての学生が共有できますので,他の学生の研究テーマであっても当然自分の研究課題として理解することは可能です。 現実に,過去には果樹の柿の花芽分化の研究をした学生が,花き市場に就職した事例があります。 |
資格が取れないと就職が難しいといわれますが,どうですか? | 資格と就職先とは全く関係ないと思います。 例えば,樹木医の資格があっても,実際に植物を見て判断する能力がなければ,就職に有利になる訳ではありません。就職試験において,資格を持っていることを優先するほど企業は甘くありません。大切なことは,資格を持つことではなく,本当の実力を持つことです。 日本経済団体連合会の調査(2006)では,就職について「選考にあたっての重視点」で「保有資格」を挙げた企業は0.9%にすぎません。企業が最も重視しているのは「コミュニケーション能力(75.1%)」,「チャレンジ精神(52.9%)」,「主体性(52.5%)」で,資格の取得で就職が有利にはなることはありません。 実際に園芸学研究室の卒業生は特に資格を持っていませんが,ほぼ100%の学生が種苗会社や農業資材会社,花き市場などの園芸業界に就職し,活躍しています。 資格に惑わされることなく,本当の実力を養うことに力を入れてください。 |
園芸学研究室にはOB会組織があると聞いたのですが,どんな組織ですか? | 園芸学研究室は,戦後の岐阜大学農学部設立当時からの歴史ある研究室です。 OB会の名前は「ホルト会」といいます。「ホルト(Hort)」は園芸学の英語名Horticulture(ホルティカルチャー)から来ています。第2代目の教授の香川彰先生の教授就任祝賀会が第1回ホルト会となり,その後脈々と続いて,現在では2年毎に開催されている伝統ある研究室OB会です。 ホルト会以外で,応用生物科学部で農学部設立当時から続いている研究室OB会としては,遺伝育種学研究室の「ヘテロ会」,植物病理学研究室の「胞子会」などがあります。 園芸学研究室の学生の就職は,これまで20年間で100%の実績を誇っています。2000年頃の超々氷河期と言われた頃であっても,園芸学研究室の学生は就職で悩んだことはありませんし,常に園芸業界での就職を確保し続けてきました。 そこには,研究室OB会組織としてのホルト会が大いに役に立っています。 |
出身地の地元で就職したいのですが,可能でしょうか? | 就職先を決めるにあたって,まずどの様な業種に就きたいのか充分考えましょう。 就職先として園芸産業を考えると,「川下(かわしも)」といわれる園芸店や生花店,スーパーなどの量販店などがあります。その川上には卸売業界があります。ベンダーや仲卸といわれる業界です。その上流には卸売市場があり,青果市場や花き市場などです。その上流にはいわゆる生産業界(農業生産法人)があります。以前は農業生産業界に就職する学生は少なかったのですが,年商数億円の農業生産法人などには大学卒業生が就職し始めています。生産業界に種苗を供給する種苗業界は最も上流に位置しています。品種改良(育種)をしたり,組織培養技術を活用した種苗生産などを行っている業界です。また,生産業界に資材を供給する業界もあります。肥料,農薬,温室などの施設や暖房機,ビニールや鉢,ラベルなど様々な農業資材を生産・販売する業界です。 業界の対象がある程度決まったところで,地方区か全国区かの選択をしましょう。質問のように地元で就職したいと希望する場合には,その地域にある対象業界の企業を探して,応募する企業の的を絞って行くことが重要です。 園芸業界は産業としての歴史も長く,様々な企業が全国に存在しますので,地元志向の学生でも必ず適当な企業が見つかると思います。 |
公務員になりたいと思っていますが,どの様なことに留意したらよいですか? | 公務員になるためには,まず公務員試験に通らなければなりません。園芸学研究室に属する学生が受験できる職種は,国家公務員試験T種では「農学T(農業科学系)」です。U種では「農学職」になります。また,地方公務員上級試験では「農業職」になります。 いずれの試験も教養試験と専門試験があり,教養試験については出来るだけ早めに公務員試験問題集を買って,頭の体操がわりに少しずつ問題集を解いていく勉強方法を勧めます。専門試験は,3年生になってからの専門科目の講義をじっくりと勉強して,3年生の後学期から勉強をし始めてください。 園芸学研究室の卒業生には公務員も多く,公務員試験のための受験ノウハウがありますので,福井先生に尋ねてみてください。 |
卒業論文や修士論文のテーマは自分で決めることができますか? | 基本的には自分でテーマを決めることはできません。福井先生から提示された研究課題から選択してもらうことになります。研究を行うには,必要な分析機械や研究材料の確保,研究文献の探索などの準備が必要です。思いつきで研究を行うことは難しいのです。 でも,何も心配することはありません。福井先生が本当に面白い,興味深い,最先端の研究テーマを考えてくれます。自分で言うのも何ですが,「本当に面白い研究テーマばかりですから,どんなテーマでもキット楽しい研究生活を過ごすことができると思います!」 一緒に興味深い研究テーマに一緒に取り組んでみましょう! |
園芸学研究室はお酒を飲まないといけないと聞いたのですが? | 確かに園芸学研究室はお酒を飲む機会が多くあります。でも,無理矢理飲ませることは基本的にはありません。 福井先生の信念として,お酒は飲めないより飲めた方が良いと思います。これまでの学生との経験ですが,1年間少しずつ訓練すると少しずつですが,飲めるようになってきます。 たくさん飲めるようになる必要はありません。飲み方次第ですが,ビールはグラスで3杯飲めれば社会に出てからも2時間の親睦会を有意義に過ごすことができます。 お酒に飲まれるようなお酒の飲み方ならば,むしろ飲まない方が良いと思います。お酒に飲まれることなく,楽しく熱き思いを語り合いながら飲むお酒は本当に楽しいお酒です。一緒に楽しいお酒を飲みに来ませんか? |
園芸学研究室の学生の男女比は,どの様になっていますか? | 15年間の園芸学研究室の男女比は,男:女=57:43で,やや男性が多い傾向があります。 特に男女の区別なく研究を行っていますし,就職についても,これまで特別な問題はありません。 |
園芸学研究室の雰囲気は? | 園芸学研究室の雰囲気は「家族的」といわれます。植物を研究材料としていると,色々な作業が一度に集中したり,夏休みや日曜日でも水やりなどの植物の管理が必要になったりします。しかし,逆にすごく暇になったりもします。 一人でコツコツと研究するのではなく,みんなで楽しく作業を分担して,自分の実験がない時には協力し合って研究を進めた方が効率も上がります。 このように植物を扱う研究室ですので,家族的な雰囲気を大切にして,いつもみんなで楽しくワイワイと騒ぎながら研究を進めています。 |
生産現場に出ることが多いと聞きましたが? | 福井先生は,「園芸学は,園芸産業と共に発展することが重要」という考え方を持っています。実験室に閉じこもるのではなく,生産現場で生産農家と一緒になって,研究材料としている植物の生産の状況を理解して,その中から新しい研究テーマを見つけ出すことが園芸学研究室の考え方です。 また,毎週1回午後に研究室全員で,フィールド科学研究センターの農場で作業も行っています。 生産現場こそが園芸学の中心です。 |
園芸学研究室は,岐阜大学祭で花を売っていると聞きましたが? | 毎年11月に開かれる岐阜大学祭で,花を販売しています。毎週農場で生産管理してきた植物や,研究などでお世話になっている生産者から分けていただいた植物を販売しています。 園芸学研究室の花の販売は1960年頃から続いている伝統行事で,毎年買いに来てくださるお客さんに大変評判となっています。お客さんへの栽培管理方法の説明や園芸相談など,日頃蓄えた知識をフルに活用する良いチャンスでもあります。 売上金は,3月の卒業旅行の費用として使用されます。産地視察なども行います。2006年には中国・上海まで出かけました。 |