【飛騨セルトップ】
(株)サカタのタネの関連会社の1つとしてプラグ苗生産事業を行っている会社です。飛騨セルトップの他、全国には、山形セルトップ、長野セルトップ、福岡セルトップがあります。(株)飛騨セルトップは、当初、丹生川村、JAひだ、サカタのタネ、コサカ種苗の出資で設立され、現在に至っており、菅沼義明所長の基、飛騨地方のトマト苗の80%を始めとする野菜・花苗生産を行い、飛騨地方の園芸振興に大きく寄与しています。2001年4月より岐阜大学農学部園芸植物生産学研究室の卒業生の柴田英里さんが従業員として勤務しており、施設内容等の説明をいただきました。
6棟の生産施設では、現在、暖地のトマト産地用の接木苗を生産しており、愛知県、三重県、千葉県などに宅配便で出荷されていました。トマトのプラグ苗は、生産地の土壌病害の程度によって使用する台木が異なり、産地にあわせて台木と穂木(栽培品種)を適切に組み合わせるため、管理に労力を要する作業です。また、「苗半作」といわれるように、苗の時期の管理は花芽分化に大きく影響を及ぼすため、定植後の収量にも影響し、苗の管理には細心の注意が払われていました。また、接木直後の管理が接木苗の品質の良し悪しを決定するため、接木養生室では温度、湿度、照度などの環境調節が行われています。
秋出荷用のパンジーやビンカなどのプラグ苗も整然と生産されています。生産設備としては、培土混合機、プラグトレーへの培土充填機、播種機、発芽室などがあり、自動生産が行われています。プラグ苗生産は農家からの受注生産であるため、品種など細かい注文があり、小さなロットの注文には手作業での播種も不可欠です。
今年よりJAひだの高山支店の育苗施設の管理も行っており、ガーデン用のシクラメンが所狭しと並べられていました。きっと2001年秋のホームセンターでは飛騨セルトップのガーデンシクラメンを見かけることでしょう。