論理的思考4

 

(科学的思考)その3 比較解析


論理的にモデルを作成して検証する、というのは物理の分野(特に古典)では一般的である。点光源の光は四方八方に圴一に分散していくのだから、明るさは距離の二乗に反比例する、みたいな話だと論理モデルの構築が容易である。つまり、はじめに理屈があって、それを数式に落としこめばモデルの完成になる。


しかし、あまりに複雑すぎて何がなんだかよくわからない生物学では上記のような話の流れにはまずならない。論理的なモデルは作成できないし、作ろうという気にもならない(ので理論生物学という分野はまだ出現していない)。この混沌とした世界で武器になるのが比較解析である。


解析対象の前提条件や動作原理が全くわからなくても、意味のある知見を抽出できるのが比較解析の強みである。 私が学生の頃某生物学教授がコンピューターソフトの不具合を直しておられるのを見ていたことがあったのだが、彼にはプログラミングの知識は全くなかったが使い慣れた比較解析一本槍で(完動ソフトとの比較、不具合ソフトへの部分的な設定ファイルのコピペと動作確認(ダメならもとに戻す))、見事に乗り切っておられた。


前項の車の例でいえば、購入者のうち女性が30%だったとして、その原因を積み上げて説明することは困難である(35%でも25%でもなくまさに30%になっている、ということの説明である。原因となるものの状況に変動が起これば購入者割合の変化も数値で予測できれば「説明できた」ということになる)。なので、そこは触れずに、「一般的な車については女性購入者が30%だが件の四駆オフロードカーは45%でありこの車種についてのみ15%の増加が見られた」という点だけに注目するのが比較解析である。つまり車種違う>>女性の割合違う、というところだけを見る。同じ国、同じ社会での話なので女性が購入する流れや構造はわからないが比較対象間で同じなので無視する。暗い舞台に一ヶ所だけスポットライトをあてて見るようなイメージであり、ライトがあたっていないところはまるで見えないがそれでよい、とする。


比較解析は狭いところしか見えないので大きな解釈をするときに間違えることもあるが、あちこちにスポットライトをあててつなぎ合わせてより大きな像を構築すれば間違いを減らすことができる。


追加の話あり


2021.12. 2


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