太極拳
全学共通教育-スポーツ・健康科学-テニス I ・太極拳:月曜3時限; 第1体育館の第2体育室
担当教員:工学部機能材料工学科 教授 清水宏晏
            (日本武術太極拳連盟 初段 公認C級指導員)
補助指導員(ボランティア):「岐阜太極 CLUB ふぁんそん」から5名(全て有段者)
清水宏晏教員と5名の補助指導員
清水宏晏教員の挨拶と報告/お礼 (記;8月3日,2004)
(岐阜大学での太極拳授業)
   太極拳を始めて約9年になります。動機は心と体の健康を考えてのことでした。上の写真,右から3人目の高木久美子先生から受けた手取り/足取りの指導から,私の太極拳人生がスタートしました。まさか,太極拳を大学の正規の授業で教えるとは夢にも思いませんでした。
 今の世の中,健康志向で太極拳もずいぶん注目され,盛んになってきていますが,まだまだマイナーなスポーツです(アジア大会の正式種目,そして北京五輪の正式種目に採択される見通し)。したがって,太極拳の普及に少しでも貢献したい気持と,もう1つは,大学でしか経験できないことですが,多くの若者達が太極拳を体験したら「どのようにふるまい」また「どのように思う」のかとの問いかけと好奇心,そして彼等に太極拳を通して「心と体のバランス」「姿勢とふるまい」「リラックスの大切さ」を意識してもらおうと考えました。

(状況と結果)
   太極拳授業の受講者は27名で,岐阜大学の各学部からまんべんなく集まり,男子学生8名,女子学生19名;その内の4〜3年生6名,2年生11名,1年生10名を,それぞれ3つのグループに分けました。
   90分の授業が6回(実際は,台風襲来で5回になりました)と考え,授業の最終目標を設定しました。「初級太極拳」(8つの動作からなり国内共通で約2分30秒で終わる)を上記の3グループごとに,自分達の選んだ音楽に合わせ表演することでした。学生達は,暑い体育館での授業/練習にもかかわらず,熱心に太極拳に取り組みました。補助指導員が,それぞれ3つのグループに張り付いたことも,一層学生達の熱中度を高めたようです。たった5回の授業にもかかわらず,彼等の最終表演はそれなりに太極拳としての格好と雰囲気を漂わせ,十分に満足のいくものでした。一般では,決して考えられない学生達のすぐれた受容と対応能力でした。
   以上のように,全員汗だくの暑い体育館で熱い太極拳授業を行うことができました。補助指導員ともども,夢の様な大学での初の太極拳授業でした。

 2年生グループの最終表演を動画(wmv:約2分30秒)として取り込んでいます。
 (ホームページの後半部分) ここでもクリックして見れます。

  wmvファイルが見れない場合は、aviファイルもあります。

   授業終了後に寄せられた学生達の感想文から,各学年1編,計4編を選び,最後に載せています。ここからでもクリックして読めます。

(お礼)
   次の方々に感謝の気持を捧げます:
 ・ 岐阜大学の体育系の先生方 ・岐阜大学全学共通教育事務室 ・岐阜大学広報室 
 ・ 取材いただいた中日新聞と岐阜新聞 ・工学部清水/佐々木研究室の皆さん 
そして,平日の午後の授業に駆けつけていただいた「岐阜太極 CLUB ふぁんそん」のメンバー;苅谷里美,馬場理恵,棚橋弘美,高木久美子先生,清水宏子の各友人達の協力で,この太極拳の授業が成立したことを記し,心からお礼申し上げる。
受講生たちと
清水教授と補助指導員の表演
清水宏晏教授 太極拳初講義 (平成16年6月7日(月))
4〜3年生グループ(最終の授業日)
2年生グループ(最終の授業日)
1年生グループ(最終の授業日)
1年生グループ(最終の授業日)
↑クリックすると別枠で動画(wmvファイル)を見ることができます。
 (約2分30秒)
   「太極拳授業の感想」

      地域科学部 4年 伊藤 可奈子

 太極拳の授業、とても楽しかったです。すごく好きになりました。毎週月曜日が来るのが楽しみで、太極拳のために大学に来ていたような気がします。
 私は高校からずっとテニスをやってきたので、スポーツといえば、まずテニスが思い浮かんできます。テニスは走ったり打ったりするので、「動のスポーツ」です。他方、太極拳はおじいちゃん、おばあちゃんが健康のためにやる「静」のスポーツというイメージでした。だから4月にこの科目の受講を考えたときは、前半のテニスは外だし、いっぱい動かなくちゃいけないからたいへんで、後半の太極拳は室内だし、楽なんだろうと思っていました。
 しかし、初回の授業で先生たちの模範演技を見て驚きました。確かにゆっくりとした動きだけれど、全然楽じゃなくて、むしろ難しそうだと思いました。やってみるとますますそれを感じ、早く動くより「ゆっくり動く」方がたいへんなことに気付きました。腰を落としているから足はガクガクしてくるし、体重移動、姿勢や手足の型、位置など気をつけなければならないことが多く、体力と知力の両方を使うという点でテニスと変わりないと思いました。
 これからも太極拳を続けたいと思っています。太極拳のいろいろなふるまい(動作)と型が、かっこよくて好きです。もっといろいろな型を知りたいし、先生たちが見せてくれたように優雅にふるまってみたいです。
 授業への要望は、前半テニス、後半太極拳に分けるのではなく、太極拳だけで開講してほしいです。分けると物足りなさを感じます。私たちは台風が来たりして、5回しかできなかったので本当に残念です。4月からやっていれば、もっといろいろなことが出来ただろうな、と思えて残念です。来年度も授業をぜひ続けてください。まだ少ししかやっていない私が言うのもなんですが、多くの人々に太極拳の魅力を感じてもらえるといいなと思います。
 短い間でしたが本当にありがとうございました。4年生なので来年度とることは、きっとできないと思いますが(本当はとりたいですけど...)、太極拳を続けていこうと思っているので、どこかでお会いできたらうれしいです。
   「太極拳」

      医学部 看護学科 3年 塩谷 奈月 (しおや)

 太極拳のイメージは,中国人が公園でやっていて水分補給には烏龍茶を飲んでいる,といったものでした。健康的で輝いていて,ゆっくりとした動きが優雅だな,と思っていました。
 美容にも良さそうと思い,友達といっしょに選択しようと誘い,見事に抽選に当たり授業を受けることが出来ました。
 最初の授業の時,清水先生と補助指導員の方々が,模範演技をしてくれて,「わー,かっこいいー」と思いました。その後に,先生が「君達が今からこれをやるんだよ」と言われて,難しそうでたいへんだと思いました。しかし,やっていく内に,グループごとに指導員の先生が付いてくれて,動きの指導と型の確認をしてくれたので,なんとか無事に習得していきました。
 太極拳は健康的で優雅なイメージだったのに,ゆっくりした動きが反対に筋肉を刺激して,下半身がシェイプアップしたような気がします。いままで陸上部で練習をしている時には感じることがなかった筋肉痛を体験しました。部活に行って太極拳をやると,みんな集まって来て一緒にやってくれました。
 動きや呼吸を頭で意識しながら,太極拳の動作と型をやる。これまでは,ただ体を動かすという運動しかやっていなかったので,意識を伴う新しい体験でした。難しいのだけれど,すごく体と心のつながりを感じることができて,集中力がついた気がします。
 先生方の教え方は,分かりやすく,また丁寧でした。足だけ,腕(手)だけと分けて教えてくれたりもしました。こんなに短時間だったのに,太極拳ができるようになったのは,先生と補助指導員の方々の熱い指導と太極拳の魅力があったからだと思います。来年は機会があれば,最終授業の最後で先生方6人が模範演武してくれた剣による「32式太極剣」がやりたいです。
 最後に個人的なことを少し言います。この太極拳授業のホームページを横浜に住んでいる両親に教えたら(私の写真も入っている)「元気でやっているのが分かって安心」と言ってきました。その後,実家に帰ると,それが印刷してあってびっくりしました。
 私も将来は,清水先生みたいに,夫婦で同じ趣味がもてて,仲良くラブラブに過ごしたいなあ,と思いました。 
   「太極拳の感想」

      農学部 生物資源利用学科 2年 大谷 裕子 (おおたに)

 私は太極拳の授業をとって本当に良かったと思いました。教えてくださった先生方はみんな話し易かったし、動きの一つ一つをとても丁寧に教えてくださいました。清水先生も、集合写真を撮ってみんなに配ってくださったり、ちゃんと名前を覚えてくださったりして、他の講義とは何か違う、楽しくて和みやすい時間だったと思います。
 初めて太極拳を体験してみて、太極拳は、どんな動きをするときもまっすぐ前を向き、背筋を伸ばしたままの姿勢を保ち続けなければならない、なかなかハードなスポーツだと感じました。重心をしっかりおいてフラフラしないようにしたり、手と足との動きを合わせたりすることや、動きそのものも難しいと思いましたが、先生方のまねをしたり、アドバイスをいただいたりして、自分ではけっこう授業についていけたと思います。ただ、動作が変わるときに一回一回動きが止まってしまったり、手の動きが不自然になってしまったりして、先生たちのように流れるようにはできなかったことが残念です。また、太極拳は一人でおどるもの、という印象を初めは持っていましたが、本当はちゃんと相手がいて、腕を引っ張ったり、押したり、反対側の相手を見たり・・とそれぞれの動きに意味があるものだと知り、おもしろいなあと感じました。
 授業でやった8つの動作以外に、もっと長いバージョンや、剣を使った太極拳を見て、それらをできるようになりたいなあと思ったし、私はこれからも機会があれば太極拳をやりたいと思いました。私の母は昨年から太極拳を習い始めていて、私が覚えたのとは少し違う動きだったけど、一緒にできたらなあと思っています。あと、岐阜大に太極拳のサークルがあったらいいのに・・とちょっと思いました。
 来年からの授業の要望は、今回は少し時間が足りなくて、すべてを覚えてから何回も練習してなめらかにできるようにしていく、ということができなかったので、前学期の全てが太極拳の授業であっても良いように感じました。あと、今回のように、先生は複数いた方が良いと思います。授業のやり方とか進め方は、今回のですごく楽しかったし、わかりやすかったのでこのままで良いと思います。
 太極拳は、母がやっていてもそんなに興味はなかったし、テレビでも見たことがなく、この授業をとらなかったら、きっと太極拳をやろうとすることはなかったと思います。そういう意味で、この授業をとってすごく良い体験ができたと思います。
 ありがとうございました!!
   「太極拳を受講して」

      応用生物科学部 獣医学課程 1年 原 嘉章

 私が太極拳のあるこの授業を受講しようと思ったきっかけは、以前から身体の使い方について非常に興味があったからだ。というのも以前「合気道」を習っていたことがあった。そのときに、自分の体は思っているほど、自分の思いどおりに動かすことができないということに気付いた。そこで、どうすれば思いどおりに動けるようになるのかを考えるようになり、合気道の動きの中や普段の生活の中でも、姿勢や重心、脱力などを意識するようになった。
 太極拳もまたゆっくりとした動きの中で上述のことを意識する。そういったところで、合気道に通ずるものがあると考えた。そして、短いながらも、太極拳の授業を受講することで、以前よりもより深く身体の使い方について学べるであろうと思い、受講することにした。
 結果は、思っていた以上のものであった。ゆっくりとした動きであるために、今までいいかげんに流していた部分、特に身体の開きなど、自分の身体の動かせていない所、意識があっても動かすことのできない部分をはっきりと認識することができた。また、合気道には無い、太極拳特有の動きもあり、非常に面白いと感じた。
 これは神戸出身のジャズピアニスト、小曽根真さんが言っていた言葉であるが、「テンポの速い曲を正確に弾くためには、まず、自分が思っているよりもずっと遅いテンポで、完璧に弾けるようにならなくてはならない。そこからの積み重ねで、やがて速い曲が弾けるようになる」というのがある。身体の使い方も同様であるといえる。つまり、身体の使い方を深く理解するには、太極拳のようにゆったりとした動きの武道(スポーツ?)を学ぶのが一番の近道であるといえるのではないか。
 来年についての提案であるが、一つ一つの動きをしっかりと覚えさせてから次に進むのではなく、まず一つ一つを軽く教え、とりあえず最後までの動きや流れをいっきに教えてから、その後ゆっくりと、個々の部分について指導する方が、効率がいいのではないだろうか。
 最後に、清水先生をはじめ、指導して頂いた諸先生方、本当にありがとうございました。



太極拳講義 最終日     (平成16年7月12日)

授業終了後に寄せられた受講生の感想文から、各学年1編、計4編を載せました。
wmvファイルが見れない場合は、aviファイルもあります。
平成16年度前学期後半
2年生グループの最終表演「初級太極拳」の動画