太極拳
全学共通教育-スポーツ・健康科学-「太極拳」:火曜3時限; 第2体育館
担当教員:工学部機能材料工学科 教授 清水宏晏
            (日本武術太極拳連盟 初段 公認C級指導員)
指導員(ボランティア):「岐阜太極 CLUB ふぁんそん」から4名(全て有段者)
清水教授と4名の指導員
「概況」

 今回で2回目となる「太極拳」の授業を、平成17年度後学期の10月―1月の間に実施しました。火曜日午後の3時限(12.50-14.20)です。平成16年度の初回は、テニスとの合併組み合わせ、すなわち太極拳は半コマ(7週分)の授業でしたが、今回は1人前になり1コマ(15週)の授業時間が与えられ、さらに大きな前面鏡のある第2体育館で実施でき、うれしく思っています。以上の状況から、太極拳の国際的スタンダードである「簡化24式太極拳」を学習指導の目的にしました。
 総人数35名の学生諸君をA,B,Cの3グループに分け、前回同様「岐阜太極 CLUB ふぁんそん」のメンバー、清水宏子、苅谷里美、馬場理恵、棚橋弘美の4人のボランティア指導員の献身的な協力を得て、「簡化24式太極拳」の指導/習熟に当たりました。今年は、4年に1度の全国学生体力測定に1回分、雪のために1回休講で合計2回分が消えたため、結果的には実質11回の実技授業の実施で(15−2−2(1 & 15回目)=11)、かろうじて「簡化24式太極拳」を終了できたのが、実情です。しかし、最終回のグループ別の学生表演では、太極拳としての格好と雰囲気を漂わせ、十分に満足できる演武を見せてくれました。指導員全員が大きな拍手をおくり、熱い気持になりました。


 Aグループの24式太極拳の最終表演を動画(wmv:約6分)として取り込んでいます。
 (ホームページの後半部分) ここでもクリックして見れます。

  wmvファイルが見れない場合は、aviファイルもあります。

   授業終了後に寄せられた学生達の感想文から,彼らの承諾を得て5編を最後に載せています。ここからでもクリックして読めます。


「開講初日;受講希望者が教室にあふれて・・・」

 上述のように、今回の「太極拳」開講は、単独では初めてであったので、受講希望者がどれだけ来るのか心配でした。「太極拳」は、まだまだマイナーなスポーツであり、どちらかと言えば愛好者には高齢者が多いため、若人には敬遠されるかも、と。しかし、開講初日の受講者登録には、教室に入りきれないほどの学生諸君が詰め掛けていて、うれしい驚きと同時に、彼らの希望が叶えられないことを心配しました。予定定員25名に対して100名をゆうに超えていましたから、ジャンケンと抽選で35名に限定せざるを得なかったのです。もれた学生諸君には申し訳なく、ぜひ来期受講してほしい旨を伝え、わびました。
Bグループの練習
Cグループの練習
清水教授と指導員による「32式太極剣」の演武
2年生グループの最終表演「初級太極拳」の動画
↑クリックすると別枠で動画(wmvファイル)を見ることができます。
 (約6分)


授業終了後に寄せられた受講生の感想文から,彼らの承諾を得て,5編を載せました。
wmvファイルが見れない場合は、aviファイルもあります。
平成17年度 後学期
(2005.10 〜 2006.1)
「受講者の分布とグループ分け」

 総数35名(男;12名、女;23名):1年生;24名、2年生;3名、3年生;4名、4年生;4名。1年生の学部内訳は:教育学部;12名、地域科学部;3名、応用生物科学部;4名、工学部;5名で、教育学部が圧倒的に多かった。グループ分け:Aグループ(担当指導者;清水宏子、棚橋);教育学部の1年生12名、Bグループ(担当指導者;馬場);地域科学部、応用生物科学部、工学部の各1年生12名、Cグループ(担当指導者;苅谷)各学部2−4年生の11名。


「簡化24式太極拳への取組み:目標と結果;学生の太極拳力」

 「24式太極拳」は、1956年太極拳の普及のために中国で制定され、24組の動作からなる標準的な太極拳として世界で広く愛用されている。それに要する時間は、通常6−7分くらいで、一見短時間と思える24式太極拳であるが、これをマスターするのは、なかなか難しい。それは、ただ24組の動作の順番(套路;とうろ)を覚えるだけでなく、太極拳の本質である「肩を落とし胸を張らず、体をゆるめる」「体の中心軸を垂直に持続して、重心移動を行う」「体をねじらない」「顔、手足、胸腰部の動きを協調一致させる」「動作のスピードを均一に」など多くの要求を満たさなければ、自然で美しい太極拳はできず、ぎこちなく乱れた太極拳になってしまう。したがって、授業の最初には、毎回十分なストレッチで体を柔らかくし、そして太極拳の基本である手法(手の動き;例えば、体の前でボールをつくる(抱拳))や歩法(歩き方;足の出し方や重心移動の方法)の習得に時間をかけた。そして前半部分では全員の総合練習により、平均すれば1回の授業で2組の新しい動作(套路)を覚え、さらに後半部分では各グループに分かれ少人数でそれらの習得の徹底を図った。
 学生諸君は、当初、何をやっているのか判らない様な反応であり、太極拳は思った以上にたいへんで、筋肉痛を訴える学生もいたようであった。しかし、回を重ねる度に、だんだんと太極拳らしい「ゆったりとした動作」を習得し、指導者が「若い人達は一般人と比べてケタ違いの速さで太極拳を体得するね」と、彼らの太極拳への順応性とイメージを体で表わす能力に驚きを示した。おそらく、これが短期間で24式太極拳を修了できた理由であろう。
 最終回のグループ表演では、A, B, C グループがそれぞれ選んだ音楽、桜(コブクロ)、栄光の架け橋(ゆず)、ヘイジュード(ビートルズ)に合わせて、「簡化24式太極拳」をゆったりと演武してくれました。他のグループと指導者は、それぞれの表演に大きな拍手をおくりました。12月、1月の寒い体育館での練習を越えて、当初の目的を達成してくれた学生諸君を見ながら、指導の先生方は、大きな喜びと充実感を感じました。



[授業の最終日の様子]
最終日(2006. Jan. 31)の集合写真
全員による総合練習風景
Cグループが前面鏡を見て練習
「授業を終えて;感想そしてお礼」

 太極拳を初心者に教えることは容易ではありません。それは、心(頭で考えること)と体(イメージを動作で表わす)の融合を必要とするからです。今回の授業で「簡化24式太極拳」を全てマスターさせたいとの思いは、一つの「賭け」でした。期間的に十分な余裕がなく、限られた時間内で行わなければならず、そのため成否がずっと心配で、焦りの連続でした。しかし、学生諸君の若い力が、それを可能にしてくれました。また、ボランティア指導員の献身的で熱心な指導のおかげと思っています。指導に当たった彼女らは、授業の最終日に「もう来週から太極拳の授業がないと思うと淋しいよね」と会話していました。私にとっては、涙が出るほどうれしく、そして感謝の気持でいっぱいです。
 最後に、この「太極拳」の授業を実施することに協力いただいた教育学部保健体育の川岸教授をはじめ、スポーツ/健康科学のスタッフにお礼を申し上げます。また、体育館内の環境整備や授業の写真記録などに協力いただいた研究室の皆さんに感謝いたします。
   「太極拳の授業を終えて」

      教育学部 1年 西田沙織

 私が岐阜大学に入学した前学期の初めに、スポーツ種目のどの授業を取ろうかなと、あれこれ考えている時、シラバスを見ながら、後学期には「太極拳」という授業があることを知りました。もうその時から、後学期になったら絶対太極拳を学びたい!とずっと思っていました。後学期が始まり、太極拳をやりたいという多くの人の中から、幸運にも自分が太極拳を学べることになった時、本当に嬉しくて、とても楽しい気持になりました。と同時に漢字のみで名付けられた簡化24式太極拳を自分がマスターできるのか、不安もありました。でも太極拳を教えてくださった先生方は、みんなとても熱心に指導してくださり、毎週習う新しい動きを確実に自分のものにするために、一生懸命頑張ることができました。本当にありがとうございました。最初の授業で、まず先生方に簡化24式太極拳の模範演武をしていただいた時は、ただただ拍手するばかりで、すごいとしか言えませんでした。音楽に合わせてしなやかに体を動かす姿に感動しました。これが、私が太極拳というものを生まれて初めて目にした時でした。あのすばらしい演武は、これからも私の記憶の中に残り、ずっと忘れることはないと思います。
 私は、実際に太極拳を習ってみて、手先やつま先などの体の末端にまで、こんなにも意識をおくスポーツがあるのだな、と思いました。私は長い間、陸上競技をやってきましたが、太極拳はまた違った意識をもつ世界だと思います。しかし、太極拳で得た足や手の動き、体の軸を保つ大切さ、体重の移動など、陸上競技につながる要素がたくさんありました。吸う、吐くという呼吸の大切さにも気づくことができました。最初はなかなか覚えられなかった動きも何度も練習するうちに、「さまになってきたよ」と先生に言われたことも忘れません。とても嬉しかったです。また、授業で教えていただいた幾つかの柔軟体操(ストレッチ)は、今では部活の時間にもやるようになりました。
 毎週練習を重ねてきて、とうとう最後の授業を迎えてしまいました。最後の授業の前に友達と「今日でもう太極拳の授業が終わっちゃうんだねぇ・・・」と、なんだかしみじみしてしまいました。毎回太極拳の時間がとても楽しみでした。24式太極拳の套路(とうろ)を教えてもらい、みんなの前で披露する時も学んできたことを全て出し切ろうと思い、今までの中では一番いい太極拳ができたと思います。ただ、もっとうまくなれる時間が欲しかったです。さらに自分だけでなく、一緒に太極拳を学んだ仲間と、音楽に合わせて一つになれたことはとても良かったと思います。約半年間、一緒に太極拳を学んできたことで、友達も増えました。毎週新しい太極拳の套路を習った後には、みんなで集まって、「この動きがよく分からなかったよ」とか「この動作のあとはどうすればいい?」などとお互いに分からなかったところを教えあったり、みんなで先生に質問しに行ったりして太極拳を学べたこともすごく楽しい思い出です。もう太極拳の授業は終わってしまったけど、その精神を忘れることなく、「私は太極拳を習っていたんだよ」と、まだ太極拳を知らない周りのみんなにも、どんどんその楽しさを広めていきたいと思います。
 最後になりましたが今まで私に太極拳を教えてくださった、清水宏晏、清水宏子、苅谷、馬場、棚橋の各先生方、本当にありがとうございました。またどこかで会えることを楽しみにしています。これからも太極拳を愛し続けて、いつまでもお元気でいてください。



   「太極拳」

      応用生物科学部・獣医学 1年 渡邉祐佳

 私は運動が好きです。だから、前学期も後学期も体育を2つも履修しました。後学期で太極拳を選択した理由は、「太極拳を体験してみたい」という想いがあったからです。太極拳を含めポピュラーとはいえない運動は、大学以外では、よほどの機会がなければこれから体験することはないと思ったからです。
 太極拳を習い始めてまず、「太極拳は頭も使う運動なんだ」と感じました。太極拳は、型、体重移動、姿勢、手足の位置、手の形、など気をつけなければならないことが多く、難しかったです。練習を繰り返して、動作の流れを覚えてしまうまでは、全く気が抜けません。悔しいことに、私は教えていただいた簡化24式太極拳を、最後まで完全に覚えることはできませんでした。最後の授業のグループ表演では、先生の動きを見て頑張りました。先生方のように流れるような動きができるまでには、もっと時間がかかると思います。少しでも多くの練習時間が欲しかったので、雪で休講になった1回が残念でした。
 太極拳は頭も使いますが、筋肉を使っているという実感もありました。それはゆっくりとした動きだからこそ、感じられたのかもしれません。ひざを少し曲げた低い姿勢を常に保つことと、片足で立つ時などにフラフラしないように重心をしっかりと保つことに気をつけました。
 私はこの授業を受けるまで、太極拳については中国で生まれ、ゆったりとした動きであるということしか知りませんでした。授業で、1つ1つの動きは相手を意識した意味のあるものだと知り、おもしろいと感じました。
 毎回、先生方の模範演技には見入っていました。特に最後の授業で見せてくださった32式太極剣の演武はとても魅力的でした。また、清水先生のように夫婦で同じ趣味を持てることをうらやましく思いました。
 清水先生をはじめ、ボランティアで私達の指導をしてくださった先生方、ありがとうございました。プリントを配布していただいたり、丁寧な指導をしてくださったことに感謝します。私のBグループについてくださった馬場先生には特にお世話になりました。先生の指導からは、いつも優しさが伝わってきました。本当にありがとうございました。



   「太極拳授業の感想」

      工学部 1年 沢田典之

 私は、授業で体育を履修しようと思いシラバスを見ていると、太極拳という高校までにはなかった授業を見つけました。ちょうどその頃、祖父の家に太極拳のビデオがあり、祖父もやっていると聞いていたので太極拳に興味を持ち、受講しました。頭の中では、ゆっくりと流れるように動く、という体操なのだろうと思い、中国の人達が大きな宮殿の前でやっている姿を想像していました。体操なのだから覚えればそれほど苦もなくできるだろう、と高を括っていましたが、最初の授業で先生方が見せてくれた演武は、それはもう綺麗で、太極拳は単なる体操ではなく武術だったのだ、ということを痛感しました。また、その後の練習で体をゆっくり動かすことの大変さ、そして自分の体の硬さに驚きました。先生方のように流れるように動かすことができず、どうしても、早く体を動かしたり止まったりを繰り返してしまい、ぎくしゃくした動作になってしまいました。しかし、それらは先生方の指導のおかげで少しずつ改善されていきました。
 体はどうしても柔らかくならず、足で蹴り出す動作では、周りの体の柔らかい友人達がとても羨ましく見えました。普段の生活でも、風呂を出た後、柔軟体操をやったりしてみましたが、問題は骨格なのか、ほとんど柔らかくなりませんでした。それでも太極拳はおもしろかったです。
 私は今、大学の少林寺拳法部に所属しています。少林寺拳法は比較的動きの早い武道です。その点で太極拳とは少し違いますが、同じ武道を体験している者として、太極拳は非常におもしろい動きをする武術だな、と思います。有酸素運動なので健康増進にもなり、また、ゆっくり動くには、それなりの筋肉が必要なので、筋力保持とその増強にも良いと思いました。
 さらに、太極拳のおもしろさの大きな理由として、動作にそれぞれ意味がある、ということです。深く学んでいないので、自己解釈の域は出ませんが、両手でボールを作る動き(抱拳)は、相手からの力を受け流す動きに似ています。構えでも、上受けと下受けを同時にとる構えや、相手を牽制するような構えがありました。「あ、今打ち上げた」とか「相手はきっとこういうことをしてくることに対して、こう動く」などと考えながら動くと、とても楽しいものでした。
 そして、授業を受けて良かったと思うのは、後学期という短い期間で簡化24式太極拳を全て教えてもらえた事です。祖父曰く、「一年かかっても半分できない」のに、半年で全てをとりあえず知ることができたのはよかったです。また、講師の先生方が多いのも良いことだと思います。清水宏晏先生一人だとどうしても目の届かない人がでてきますが、3グループに分けて少人数レッスンになり、間違いや動作の曖昧な点があるとすぐに助言してもらえました。また、第2体育館での授業だったため、大きな鏡を使って練習できたのも良かったです。自分の動きが見えるので改善につながりました。
 今後への期待としては、(少ない時間との戦いですが)授業の初めにやる復習の際に、もう少し詳しい解説を織り交ぜて欲しいです。一つ一つの動きをもう少し深く掘り下げることで、学生の理解も深くなると思います。また、ビデオなどを見せるのもいいかもしれません。先生方がやるのが一番ですが、本場の太極拳も見たい気がするからです。
 清水先生夫妻には、和やかな指導でお世話になりました。また、私は馬場先生のBグループで指導していただきました。馬場先生の動きはスムーズで真似しようとしても無理なくらい手の動きや体重移動がきれいでした。Cグループの苅谷先生は華麗な動きをされていて、太極拳は美しいと思いました。最後の授業で先生方が見せてくれた32式太極剣も素晴らしかったです。私は三国志ファンなので、特に見とれてしまいました。剣の動きも振り下ろし、切り上げ、など様々な要素が含まれていて興味深かったです。
 全体を通して太極拳というものを身近に感じることができて、この授業は本当に良かったです。これからも、たまには祖父と一緒に太極拳をやろうと思っています。最後に、大好きな「太極拳の礼(抱拳礼)」でおわりにします。



   「太極拳」

      工学部 4年 上澤 泰

 太極拳については、前々から興味があって是非、1度やってみたいと思っていたが、今回、大学の講義として履修できたことをとても有難く思う。
 まず、簡化24式太極拳を学習することができたので、太極拳の入口として、太極拳動作の流れや考え方について触れられたことが大変よかった。そして、太極拳を習う前よりも、太極拳の意味や奥深さを実感し、さらに太極拳に対する興味が増したと思う。
 太極拳の動作(套路―とうろ)を実際に行って感じた良さは、力まず柔らかく流れるような動きである。太極拳のしなやかで流れるような動作は、ほかのスポーツや武術にはあまりみられず、独特な美しさがあると感じられ、特に先生方の演武は、無駄な力が入っておらず、全体を通してのスムーズな動きが素晴らしいと思った。また、太極拳では、呼吸と動作の意識を統一することの重要性を感じた。特に腹式呼吸を意識し、動作と合わせることで、心身のリラックス効果を得ることができた。
 簡化24式太極拳のそれぞれの套路では、もともと何の意味を表した動作なのか、また、相手の動きにどのように対応した動作なのかを教えてもらったことで、より覚えやすく、より高い意識を持って動くことができたと思う。そのため、それぞれの動きについて、動作の意味や目的をさらに詳しく知りたいと思った。
 また、最後に先生方が演じられた32式太極剣のような剣を使った演武では、健康法といった意味合いだけでなく、武術としての格好良さもあり、とても興味深く、さらに、ほかの太極拳についても見てみたいと思った。
 今回、太極拳を学習したことをきっかけに、太極拳の歴史や、宇宙を背景とした太極拳の思想、さらには中国について関心を持つに至り、実際に来月には(平成18年3月)中国に行く予定であるので、是非太極拳や、それに関連した文化についても触れてきたいと思う。
 また、太極拳は、健康にも良く、子供から高齢者まで、いつでも、どこでもできる生涯スポーツであるので、心身の健康のために長く太極拳ができればよいと思う。特にダイエットに効果があり、運動不足を解消できる柔軟体操としてのスワイショウなどの簡単な運動は、日常的に実践していきたい。
 最後に今回、太極拳を教えて下さった清水先生や4人の指導員の方々に感謝したい。



   「太極拳授業の感想」

      工学部 4年(留学生) 諸 炯

 中国出身の留学生として、異国である日本で母国の太極拳に挑戦することは僕にとって、非常に有意義で貴重な体験でした。
 僕は日本に来て今年で6年目になり、この6年間、ホームステイや小学生との国際交流などを通して日本文化を満喫し、日本という国は第二の故郷のように馴染んできました。今年(平成18年)の4月から日本での就職も決まり、この先、当分は日本に滞在することになりました。
最近、中国語での会話が少なくなり、周りの友人たちも日本人が多く、日常の習慣なども日本人と変わりがなく、普通の日本人のように生活しています。決して、それは悪いことと思わないですが、最近、少し自分の源を忘れてはいないかと思う時もありました。
そこで、今回、大学での太極拳授業との出会いは、私にとってもう一度母国の文化の深さを知る大きなチャンスでした。かつて身近な存在であった太極拳は、こんなに格好良かったんだと気づきました。
先生方から見せて頂いた太極拳は、とてもすばらしかったです。また、他の学生達が横で太極拳をやっている姿を見て、なんだか心から嬉しく思いました。
清水先生はじめ、指導員の先生方(特に、Cグループ指導の苅谷先生)が、簡化24式太極拳を一々丁寧に教えてくださいまして、本当に有難うございました。
これからは、例えどこに居ても、自分の母国の文化を大事にしていきたいと思います。