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新エネルギー

 

 

CO2回収型H2製造・分離法の開発/NEDOプロジェクト(平成12~22年度)

 

 H2エネルギーは環境汚染物質を排出しないため,現在,燃料電池などのH2利用エネルギーシステムの開発が盛んです.しかし,そのH2は主に天然ガスや石炭等から製造されるため,この過程で環境汚染物質が排出しては元も子もありません。そこで,石炭ガス化H2製造プロセス中にCaOを加え,発生するCO2をCaCO3として回収するシステム(HyPr-RING)を開発しています.最近では,CaOだけでなくBa系化合物によるCO2分離に加えて,H2分離膜やH2吸蔵合金によるH2分離も導入しています。

 

 

直接炭素燃料電池(DCFC)の開発

 現在,MCFCやSOFC等の燃料電池が実用化に向けて開発されていますが,燃料の水素を天然ガス,石炭,バイオマス等から製造する必要があります.一方,DCFCはバイオマス,石炭,石油コークス,有機ゴミなどから炭素棒を製造し,発電する仕組みなので,理論変換効率は100%近くになります.当研究室では,DCFCの開発を進めており,これまでに発電特性等を検討しています.

 

 

バイオマスのガス化および液体燃料製造(BTL)プロセスの開発/NEDOプロジェクト(平成24~25年度)

 

 バイオマスからの液体燃料製造(Biomass to Liquid,BTL)プロセスが開発されています.BTLではバイオマスのガス化により合成ガス(H2およびCOの混合ガス)を製造・精製し、さらに、Fischer-Tropsch(FT)合成を行うことにより液体燃料を製造します.FT合成ではガソリンから重油までの留分が生成されます.しかし、これまでの研究では主にガソリンおよび軽油という自動車代替燃料を対象とした検討がされているだけであり,ガソリンと軽油の中間成分である航空機代替燃料(ケロシン)に対象を絞った研究はありませんでした.本研究では航空機代替燃料製造を目的としたFT合成に関する実験的検討を行っています.最近ではNEDOプロジェクトでバイオマスガス化や耐タール&耐硫黄触媒開発も含めた高効率なBTLプロセスの開発を行っています. 
 また.バイオマスをガス化すると,タールが生成します.このタールによりガス化炉出口で閉塞が起こったり,バイオマスガス化ガスを発電等に用いる時は非常にやっかいになります.したがって,当研究室ではバイオマスガス化生成タールを分解する触媒を開発しています.

 

 

各種炭化物のキャラクタリゼーション


 バイオマス利活用の課題の1つが容積が大きいことによる輸送コストの増大です.また,東日本大震災のような災害時の電力や熱確保も必要です.本研究では各種有機物を炭化して炭化物を製造し,バイオマスの輸送コストの低減および災害時のエネルギーストックを目指します.また,キャラクタリゼーションを行い,炭化物の用途開発も行っています.