7月19日(火)、岐阜市文化センター 小劇場において、シンポジウム「女性の活躍と地方創生 ~人を育てる企業・地域を育てる企業~」を盛況のうちに終了いたしました。ご来場の皆様に厚く御礼申し上げます。
7月19日にシンポジウム「女性の活躍と地方創生~人を育てる企業・地域を育てる企業~」が岐阜市内で開催されました。四連携機関中唯一の民間企業という特性を活かして、アピ株式会社が中心となって企画を進め、企業におけるダイバーシティ推進を大学や自治体といかに共同して進めるかを討論する場となりました。
基調講演では、講師にサントリーウエルネス株式会社の折井雅子専務取締役を迎え、サントリー・グループのダイバーシティ環境について話をされました。サントリーでは、新鮮な視点の導入という観点からも多様な人材の確保・育成の重要性に注目しており、ダイバーシティ環境整備の部署を設けて女性の活用を推進しておられます。しかし、氏は女性の活躍を推進していくためには「トップダウンとボトムアップ」および「制度とマインド」という両輪を動かしていく必要があるとおっしゃいます。すなわち、上層部の主導だけではなく、働く女性自身からの動きも必要であり、また制度を整えるだけではなく、女性たち自身が更に意欲をもって、WLBの挑戦的な体験をしなければならないということです。会社全体、ひいては社会全体が意識を変革すれば、女性が働きやすい会社は男性にも働きやすい会社であることが認識され、上司もそのメリットを認識できるようになり、そして女性の仕事に対する意欲変革と業務成果の向上にもつながるのです。
次に岐阜県子育て支援エクセレント企業にも認定され、女性の活用を積極的に推進するアピ株式会社での取り組みが、同社、野々垣孝彦代表取締役社長から紹介されました。つづくパネルディスカッションでは、林正子岐阜大学副学長がモデレーターを務め、折井氏・鈴木裕子氏(岐阜県 子ども・女性局長)・原英彰氏(岐阜薬科大学 副学長)・森田順子氏(岐阜放送 代表取締役社長)が意見交換を行いました。折井氏は「働きやすさと働きがいは表裏一体」、女性は制度に甘えることなく、仕事を通して自己成長に努めることが大切であると述べ、鈴木氏は高校教師としての経験から、高校・大学生のうちからライフデザインの指導をするなど、意識改革と環境整備をさらに推進し、「育児に優しい岐阜を実現する」ことで、地方創生に繋げたいとの考えを語られました。原氏は男性中心の企業文化を変える難しさと、それでも女性の活用無しでこれからの日本経済は立ちゆかない現状に触れ、「何のためのダイバーシティか、何を変えなければいけないのかを繰り返し発信していくことが必要だ」と論じ、森田氏は仕事をする上では真剣な覚悟も必要である、近年の女性は優秀な人材が多く、経営者としては大歓迎であると述べ、「例えば、育休後復帰してから元のポジションに戻れるのかという質問をよく受けるが、それはその時々で異なる。ネガティブな面にとらわれず、自分のやりたいことを実現するベストな方法を、その時々で判断することが必要」と語られました。
会場には岐阜県内の企業からの参加者を中心に、およそ380人の聴衆が集まり、「大企業でも、地方の中堅・中小企業でも、ダイバーシティの重要性は同じだと思った」、「これまで今後のキャリアプランをじっくりと考えたことがなかった。女性の意識やキャリアへの考え方を変える必要性を実感した(大学職員・女性)」などの感想が寄せられ、充実したシンポジウムとなりました。