岐阜大学 工学部 化学生命工学科 生命化学コース

膜タンパク質と界面活性剤の相互作用

■主なテーマ

▼大腸菌外膜タンパク質に対する両親媒性物質(界面活性剤、脂質)の影響
▼両親媒性物質の界面および溶液物性
▼界面活性剤選択性電極の開発

両親媒性物質(界面活性剤、脂質)が形成する分子集合体は様々な形に変化する


両親媒性物質の分子集合体とその物理化学的性質

 界面活性剤や脂質は、いずれも分子の中に親水性と疎水性の両方の部分を持つ両親媒性の物質です。界面活性剤は 洗剤、化粧品、食品、医薬品などに幅広く使用され、水に溶けないものを溶かすという性質を持っています。
 両親媒性物質は、温度、組成の変化によってその分子集合体の形を変えます。油になじんで油性の汚れを溶かし、 水になじんで汚れを洗い流す。これらの能力は分子集合体の状態によって大きく依存します。分子集合体の形や 大きさを知ることによって、両親媒性物質の性質をある程度予測することが可能となるのです。

生体膜に学びます


様々な抗生物質からなる生体膜 http://www.cmu.edu/biophys/smsl/より転載

 細胞は厚さ数nmの生体膜によって包まれています。生体膜は、主に脂質の2重層膜によって構成されますが、その中には イオンチャンネルなどの膜タンパク質、糖鎖などを含みます。また、脂肪酸、コレステロールなどは生体が持つ両親媒性物質で やはり膜と相互作用して様々な働きを示します。
 私たちは、身の回りにあふれている脂質や界面活性剤が膜タンパク質にどのように影響を与えるか、分子レベルで研究を行っています。

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