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『大垣市史』の編纂は、平成15年度から10年かけて進められ、このほど最終巻となる、『大垣市史 総集編』と『図説 大垣市史』を当センターに寄贈いただきました。
 市史、なり県史という資料は、ある時期にそこまでのことを網羅して書き進める通史と、さらにその裏付けとなる史料の編纂と気の遠くなる作業を経なければならないのでしょう。さらに、それで終わりではなく、進めている時期にも、世間は動いていくので、また時期をみて新編と言う形で再編成をする必要があり、終わりのない作業であることは容易に想像がつきます。
ただその「市史」なり「県史」は、そこを知る上での原点史料であることには違いないのですが、それを網羅して読もうと思うことは、一般的にはあまりないことだと思います。
 かく言う私も、調べ物をしていて県史なり、市史に当るという事のほうが多いです。 ただ、自分の興味のある場所などは、民俗に関する部分等は、読んでいてとても面白く、資料的価値も十分に高いものだということは実感しています。

 この『大垣市史』の最後に図説を編纂されたことは、私は意義深いことだと思います。
あとがきで、『大垣市史是全10巻』の編纂で得られた調査・研究の成果を図や写真、表等を折り込んで、子供から大人までわかり易く気軽に呼んで頂く読み物として作成さいたというとこが書かれています。

その通りで、内容は、古代から現代に到るまでを見開き二ページで1トピックスを図や写真と共に簡潔に説明してあり、最初から読まなくてはならないというものではなく、開いたページを読めばいいという形式を取っていますので、たいへんに読みやすく、又へぇそうだったんだと、初めて知ることが沢山あります。
「コラム」には、大垣の銘菓の成り立ちや、戸田藩のお庭焼きの陶器のこと等、大変面白く興味深い内容が盛りだくさんです。
 常々、旅行に行く際に、買い求めるガイドブックというものが、観光地についてのページを割くよりも、何を食べて、何を買ってといったような態のものばかりであることに、少なからず不満をもっていました。
その点こういった図録は、あらかじめ読んでおくと、現地に行った時に、現地をみる眼も違ってきます。携帯するにはちょっと無理がありますが、大垣市のガイドブックとしても又一級品だと思います。
地域資料・情報センター収蔵庫の大垣市に配架しました。