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道の駅織部の里 今年も柿の収穫の季節がやってきました。 「道の駅 織部の里」は 朝早くから、続々と車で柿を買い求める人が訪れ、開店時間を10分早めて営業を開始しています。  柿は一度 霜が降りると甘くなると言いますが、今年はまだその時期ではなく、そんなことを言っていると収穫が住んでしまうような気もして、11月12日に 買いに出かけました。 この道の駅は、進物用の柿はあまりなく、ビニール袋に詰めて富有柿や干し柿用の柿を売っています。
「富有柿」はその原木が岐阜県の瑞穂市にあり、岐阜を代表する農産物の一つです。完全甘柿であるこの柿は、原木こそ岐阜県にあれどその生産高でみてみれば、福岡県・和歌山県がその上位にきており、岐阜県は全国三番目のとなっています。
しかし 富有柿の本場はやはり岐阜です。毎年全国の親戚や知人に送って喜んでもらっているというお話を聞きます。甘柿の栽培の北限は茨城県当たりなので、東北地方や北海道では珍しいもので、職場に送られた人が配ったところ、その鮮やかな色つや大きさにしばらく机の上に飾っていたという話も聞きました。
干し柿

一方 干し柿用の渋柿は、岐阜で有名なのは「蜂屋柿」です。特に美濃加茂の蜂屋地区の「蜂屋柿」でつくる干し柿「堂上蜂屋柿」はその歴史も平安時代からと古く、天皇家や将軍家に献上されていた干し柿です。いまでも干し柿一個の値段もとても高く(軽くスーパーの干し柿一パック分位するでしょうか)なかなか本場物を食することはできません。
しかし その「蜂屋柿」で自家製の干し柿を作ることは可能です。
道の駅でもこの「蜂屋柿」の人気は高く、又今年はあまりできが宜しくないとの話も聞いたのですが、他の渋柿に混ざって ちょっと高めの蜂屋柿一袋に6~7個入っているものを何袋か買い求めました。(大きいものは同じ値段でも、一袋五個くらいです)
干し柿はを自分で作るには、まず、へたのひらひらとした部分をハサミで切って整え、上から皮を残さない様に 丁寧に剥いていきます。ここで少しでも皮を残すと干し上がったときの食感が悪くなるので、確認しながら剥きます。
干し柿用の柿の柄はたいてい糸が引っかけられるように切ってあるので、そこにタコ糸を引っかけて二個を振り分ける様に干すようにします。
ここで一手間・・・ 熱湯に10秒程くぐらせて、殺菌するという方法もあるようです。その後は柿にさわらないように干します。
しかし、私はここでもう 日当たりがよくて、雨がかからないベランダの物干しに干してしまいます。そしてそこで、お椀に焼酎を入れて、一個一個を浸していきます。これで殺菌をします。(住宅街ということもあるのかもしれませんが、一度も黴がはえたことはありません。)
そして後は 寒くなってきて、十分に乾いてきたら、たまに揉んでやります。自家製なので、途中で冷蔵庫にいれたりとか面倒なことはしません。それでも12月の中旬以降には、甘くて柔らかい干し柿が完成します。時期を見て竿からはずして、後は冷凍庫とかで保存しないと、今度は水分が抜けて硬くなります。富有柿を食べながら、干し柿の完成を待ちます。
富士柿という渋柿は、新聞にくるんで、箱に入れ焼酎とかをかけて密閉すると熟柿になります。しかし時期を間違えると跡形も無くなってしまいます。
一口に柿といっても、色々な種類や食べ方があります。岐阜の誇る秋の味覚「柿」をご賞味あれ!!(H23.11.20)