このたび岐阜市史:「史料編」現代Ⅱ(上)・(下)が刊行されました。
史料編現代Ⅰは、昭和26~50年にいたる都市計画図・昭和34~51年までの大規模水害の地域図、昭和32年ころの柳ヶ瀬の町内地図、昭和50年12月頃の岐阜市内バス路線図、計8枚の付図となっています。
今回の現代Ⅱは、昭和50年以降の史料編ですが、御覧のように、自治体史としては、かなり型破りな外装となっています。とはいえ、このような自治体史の装丁は最近のものに少しずつ見られるようになりました。
センターに収蔵されているものでいえば、隣の大垣市の「図説大垣市史」。見開きA3版と少し大きくて、良い紙を使っているため重いということはありますが、見開きごとに1テーマでテーマによっては大垣市以外についても言及されており非常に分かり易くなっています。大垣市について何かを調べたい時、まず見る本となっているのではないでしょうか?
「みる・よむまなぶ飯田・下伊那の歴史」は、先に紹介しました飯田市歴史研究所が編集したもので江戸時代以降から20のテーマを提示し、のこされた“史料”をみて、それを“よみ”、そこから“まなぶ”という構成になっています。
そしてこれは事務員の個人的に購入したのですが、「長崎市史」普及版。定価\1,300円+税と大変求めやすい価格です。大垣のものと同様、見開きごとの1テーマでカラー写真が多用されており(止むなき場合は白黒写真)、楽しく読めます。事務員は長崎を舞台にした時代小説を読みふけり、そのバックグラウンドとしての長崎の理解のために買いました。
前置きが長くなりましたが、今回の岐阜市史:「史料編」現代Ⅱ(上)・(下)も写真・図を多く用いて、あります。勿論史料編ですので、通史編を待って、両者を揃えて初めて、その有用性も増して来ることは間違いありません。
この現代Ⅱの扱う年代は昭和50年から現在までです。この時代と言うのは、日本がバブル景気に沸く以前から、失われた20年と呼ばれる停滞期を含んでいます。人口動態・都市計画の変遷等、活気のある時代と停滞の時代、さらにそこからの新生まちづくりの様子が窺いしれます。
新聞記事・統計・写真等、多くの史料がのっていますので、懐かしく感じたりすることもあります。手にとられる機会がありましたら、ぜひみていただきたいと思います。
本編にさわりが紹介してあります、岐阜市の各種計画につきましては、巻末にDVDでその前文を収録してあります。最近の自治体の各種計画等は紙媒体からPDF仕様のネット配信となっています。それをネット上で見つけ出すのは、けっこう大変です。その意味ではこれはありがたい事だと思います。