疫学・予防医学分野とは


沿革
 昭和27年開設の公衆衛生学講座が医学部の大講座制採用により、平成14年に疫学・予防医学分野と名称を改めました。

疫学・予防医学
 疫学は、疾病の原因を明らかにする学問の一つです。疾病の研究というと、疾病のメカニズムを追求するためにミクロ的視点で行う研究を思い起こす人が多いと思います。しかし疫学では疾病のメカニズムを知ることよりも、人間集団を対象に疾病とそのリスク要因との関連性の把握を重視しています。
 疫学から得られる知見は、疾病の予防に容易に応用することができます。古くは、19世紀のイギリスでコレラ患者がある飲料水源に集中することから、水源対策によりコレラ予防に成功しています。これはコレラ菌の発見以前の出来事です。
 近年では、疫学が対象とする疾患は感染症からがん、糖尿病などの慢性疾患に移ってきました。これらの疾患には喫煙や食生活などの生活習慣が関係していると言われており、それらの関連を明らかにすることと、予防への応用が疫学・予防医学に求められています。