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御礼
終了しました。多数のご来場ありがとうございました。
アンケート集計結果はこちら。
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●2014/11/22 会場の様子をレポートします(こちら)。
●2014/11/16 公開セミナー「ニホンライチョウの現状と保護」を開催しました。講演要旨集はこちら。
●2015/1/5 保育園「ほほえみ」の園児が見学しました。
●2015/1/31 ライチョウパネル展2014資料集(報告書)を発行しました。
●2015/4/12 ライチョウパネル展の開催報告が岐阜大学図書館報「寸胴」に掲載されました。
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ニホンライチョウ(Lagopus muta japonica)は,ライチョウという種のうちの1亜種で,日本は世界の最南限の生息地にあたります。ニホンライチョウは,本州中部の頸城山塊,北アルプス,乗鞍岳,御嶽山及び南アルプスの高山帯で繁殖している日本の山岳生態系を象徴する生物です。国の特別天然記念物で,岐阜県・長野県・富山県では県のシンボル「県鳥」に指定されています。岐阜県内の生息地としては,北アルプス,乗鞍岳,御嶽山,白山が一部含まれており,このうち岐阜県高山市と長野県松本市にまたがる乗鞍岳には,比較的大型の独立集団があり,生息状況は比較的安定しているとも言われています。
しかし,ニホンライチョウ全体の個体数は,1984年以前は約3000羽と推定されていましたが,最近の調査では2000羽以下にまで減少していると推定されています。その減少要因として,キツネやカラスなどの生息域拡大による捕食の増加,山岳環境の汚染,開発による生息地の減少,ニホンジカの侵入による高山植生の破壊などが挙げられています。
このような状況から,2012年,環境省レッドリストにおいて絶滅危惧ⅠB類にカテゴリーが引き上げられています。そして,環境省を中心に「ライチョウ保護増殖事業計画」も発表されました。日本の奥山に棲む,神の鳥とも呼ばれるニホンライチョウ,そしてその聖域であったニホンライチョウの生息地に危機が迫っています。神の鳥ニホンライチョウを失わないように,生息域内での調査研究や保護活動が行われています。そして,生息域外では(公社)日本動物園水族館協会と加盟園が中心となり,保全にむけた取り組みとして,北方の別亜種スバールバルライチョウを使って先行的に飼育技術の確立や試験研究が行われています。2014年4月に発表された「第一期ライチョウ保護増殖事業実施計画」では,5年以内の短期目標として,ニホンライチョウの飼育下繁殖を開始し,飼育技術・体制を確立することが示されています。ニホンライチョウの保全の取り組みが,新たな局面を迎えようとしています。
ライチョウパネル展 in ぎふ「ニホンライチョウの危機―神の鳥を失わないために」では,ライチョウの写真や標本を展示すると共に,ライチョウに関わる調査研究,生息地や動物園での保全活動などについて紹介します。これらの展示を通して,ニホンライチョウという鳥を知り,その危機についての理解を深めます。そして保全の現状や保護増殖事業の今後の展開について最新情報を共有します。
日時 2014年11月22日(土)~2015年1月8日(木) ※休館日:日曜,祝日,12/9,12/27-1/4
平⽇ 9:00~21:30 土曜 10:00~18:00
※開館時間帯の変更日がありますのでご注意ください(図書館ホームページ)。
会場 岐阜大学図書館(2階玄関ホールおよびラーニングコモンズ)
ライチョウパネル展は,図書館開館時間中,ご自由に出入りできます。一般の方もお気軽にお越しください。
図書館入口にはゲートがありますので,お手数ですが一般の方はカウンターでお手続きをお願いします。
お車でお越しの場合は,構内入口ゲートの守衛に「ライチョウ」というキーワードをお伝えください。臨時入構許可証が渡されます。
展示内容
Ⅰ.ニホンライチョウや生息地の写真パネル(約50枚) 中村浩志(信州大学)
Ⅱ.ニホンライチョウの生態や保全に関する紹介パネル(14枚)
・ニホンライチョウの現状と保全の歴史 村田浩一(日本大学)
・ライチョウ保護増殖事業計画って? 環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室
・国内希少野生動物ライチョウ 環境省中部地方環境事務所
・雲上の霊鳥・ライチョウ-その生態と未来-①「ライチョウってどんな生活をしているのかを調査!」 大町山岳博物館
・雲上の霊鳥・ライチョウ-その生態と未来-②「大切なナワバリはオスが守る!」 大町山岳博物館
・雲上の霊鳥・ライチョウ-その生態と未来-③「卵を産み足すことに巣ができる」 大町山岳博物館
・雲上の霊鳥・ライチョウ-その生態と未来-④「ヒナは生まれる前に一仕事し,生まれてからは寒さがにがて」 大町山岳博物館
・雲上の霊鳥・ライチョウ-その生態と未来-⑤「1年に3回,羽の色がかわる」 大町山岳博物館
・雲上の霊鳥・ライチョウ-その生態と未来-⑥「冬は徹底した省エネ生活」 大町山岳博物館
・雲上の霊鳥・ライチョウ-その生態と未来-⑦「これからどうやって保護するの?」 大町山岳博物館
・雲上の霊鳥・ライチョウ-その生態と未来-⑧「ライチョウってどんな鳥?」 大町山岳博物館
・雲上の霊鳥・ライチョウ-その生態と未来-⑨「地球温暖化の影響は?」 大町山岳博物館
・雲上の霊鳥・ライチョウ-その生態と未来-⑩「未来をみつめて」 大町山岳博物館
・ニホンライチョウの棲む乗鞍岳の植物 ライチョウパネル展実行委員会
Ⅲ.ニホンライチョウに関わる調査研究の紹介パネル(11枚)
・マイクロサテライトDNA 解析により解明された日本のライチョウの遺伝的分化 西海 功(国立科学博物館)ほか
・ニホンライチョウにおける換羽パターンと換羽時期 西野優子(信州大学)ほか
・ニホンライチョウの獣医学的保護管理 村田浩一(日本大学)
・ニホンライチョウ由来大腸菌の遺伝子および血清型解析による環境評価 福士秀人(岐阜大学)ほか
・木曽御嶽におけるニホンライチョウと生息環境からの大腸菌検出 本間早紀・村田浩一(日本大学)ほか
・ニホンライチョウのロイコチトゾーン感染個体における血液検査値 玉田明日美・村田浩一(日本大学)ほか
・環境温度の変化がライチョウのコクシジウム感染に及ぼす影響 市川陽子・村田浩一(日本大学)ほか
・ニホンライチョウ飼育個体で認められた鶏痘ウイルス感染 山口剛士(鳥取大学)ほか
・岐阜大学COE野生動物救護センターにおけるニホンライチョウの救護例 原口句美・浅野 玄(岐阜大学)
・高山植物の生育環境と開花における降雨の影響 森 脩佑・川窪伸光(岐阜大学)
・ニホンジカとイノシシの高山帯侵入によるニホンライチョウ生息地への影響の可能性 安藤正規・角田裕志(岐阜大学)
Ⅳ.スバールバルライチョウを用いたニホンライチョウ域外保全に向けた技術確立に関する紹介パネル(日本動物園水族館協会)(11枚)
・JAZAにおけるライチョウ域外保全の取り組み-スバールバルライチョウを⽤いた技術確⽴ 堀 秀正(東京都恩賜上野動物園)ほか
・ライチョウを絶滅から守ろう!ファミリーパークライチョウプロジェクト 富山市ファミリーパーク
・スバールバルライチョウの飼育環境調査 ⽥村直也(長野市茶臼山動物園)ほか
・飼育下スバールバルライチョウの栄養学的調査 太田能之(日本獣医生命科学大学)
・飼育下スバールバルライチョウにおける光条件が生殖腺活動に与える影響 山本彩織・楠田哲士(岐阜大学)ほか
・飼育下スバールバルライチョウの自然繁殖 ⽯原祐司(富山市ファミリーパーク)ほか
・スバールバルライチョウのペアリングと産卵成績 ⽥島⼀仁(いしかわ動物園)ほか
・スバールバルライチョウの人工孵卵 ⽩⽯利郎(横浜市繁殖センター)ほか
・飼育下スバールバルライチョウの人工育雛状況 ⽯井淳⼦(東京都多摩動物公園)ほか
・飼育下スバールバルライチョウの発生卵輸送及び人工孵化試験 ⾼橋幸裕(東京都恩賜上野動物園)ほか
・飼育下スバールバルライチョウの死因調査 太⽥⾹織(東京都多摩動物公園)ほか
Ⅴ.その他の展示物など
・ドキュメンタリー映像の上映
「奇跡の鳥・ライチョウ」「ライチョウの未来」(共同制作:椙山女学園大学 栃窪研究室,信州大学 生態学研究室)
これらの動画はYou Tubeで公開されています。
① 奇跡の鳥・ライチョウ~北アルプス乗鞍岳の保護活動(16分15秒)~ → こちら
② ライチョウの未来~北アルプス・乗鞍岳(27分30秒) → こちら
・ニホンライチョウの剥製・骨格標本の展示(岐阜大学応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター,獣医病理学研究室)
・スバールバルライチョウの卵の展示(横浜市繁殖センター,岐阜大学応用生物科学部動物繁殖学研究室)
・ニホンライチョウの鳴き声
・高山植物の実物の展示
・高山植物の花(液浸標本)の展示(岐阜大学応用生物科学部多様性保全学研究室)
・ライチョウ関連の書籍の展示
・ライチョウ保護増殖事業関連の文書の展示 以下のサイトから全文をダウンロードできます
(環境省サイト:ライチョウ保護増殖事業計画,第一期ライチョウ保護増殖事業実施計画,ライチョウ生息域外保全実施計画)
・配布資料(ライチョウ保護増殖事業参加動物園のパンフレット,大町山岳博物館のパンフレット,乗鞍岳の観光案内,書籍案内など)
・記念品配布(ポストカード9種類,缶バッジ2種類)
ご来場いただいた方に,ライチョウパネル展記念のポストカード(9種類)と缶バッジ(2種類)を配布しています。
会場内に置いてありますので,ご自由にお持ちください。ライチョウのことを多くの人へ伝えてください。
(限定数のため,なくなってしまったらスミマセン)
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主催 岐阜大学応用生物科学部 動物繁殖学研究室 (企画 ライチョウパネル展実行委員会 楠田哲士)
共催 岐阜大学図書館/岐阜大学応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター
後援 (公社)日本動物園水族館協会/環境省中部地方環境事務所/飛騨乗鞍観光協会/乗鞍観光協議会/ライチョウ会議
協力 信州大学教育学部 生態学研究室/市立大町山岳博物館/東京動物園協会恩賜上野動物園・多摩動物公園/富山市ファミリーパーク/
長野市茶臼山動物園/いしかわ動物園/横浜市繁殖センター/よこはま動物園ズーラシア/国立科学博物館 動物研究部/
日本大学生物資源科学部 野生動物学研究室/日本獣医生命科学大学 動物生産化学教室/鳥取大学農学部 獣医衛生学教育研究分野/
岐阜大学応用生物科学部 獣医微生物学研究室・獣医病理学研究室・野生動物医学研究室・多様性保全学研究室・森林動物管理学研究室/
椙山女学園大学 文化情報学部 栃窪研究室/板橋区立エコポリスセンター/環境省自然環境局野生生物課/環境省長野自然環境事務所
協賛 文永堂出版株式会社,(一社)農山漁村文化協会
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イラスト:堀場拓磨氏(岐阜大学動物繁殖学研究室・卒業生)
ポストカード用写真:福井強志氏(日本野鳥の会 岐阜)
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二万年の奇跡を生きた鳥ーライチョウ
農文協(2013年)
ライチョウ展開催中は
岐阜大学生協にて10%OFFで販売
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JVM特集「ライチョウの保全医学」
Vol.61 No.5 2008年5月号
文永堂出版 版元品切れ
出版社のコピーサービスがあります |
動物園学入門
文永堂出版(2014年)
ライチョウ展開催中は
岐阜大学生協にて10%OFFで販売 |
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関連リンク
ライチョウパネル展チラシA
ライチョウパネル展チラシB
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Laboratory of Animal Reproduction |
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【所 属】 国立大学法人 岐阜大学 応用生物科学部 生産環境科学課程 応用動物科学コース
大学院 応用生物科学研究科 生産環境科学専攻 応用動物科学コース(修士課程)
大学院 連合農学研究科 生物生産科学専攻 動物生産利用学連合講座(博士後期課程)
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