ミニバラの鉢物は、岐阜県糸貫町の(有)セントラルローズ・ナーセリーの大西隆氏が日本で初めて1987年に生産を開始しました。当時、バラ苗生産を行っていた大西氏は、ヨーロッパ視察の折りにデンマークのOve Nielsen農場を訪問し、バラ鉢物の将来性に目を付け、50万鉢の生産を行いました。その後、大西氏の規模拡大に加えて、(有)ブロメリア・ギフでの生産開始に加え、岐阜花き流通センターバラ部会会員の生産努力もあって、日本一のバラ鉢物生産地として成長を遂げています。
 バラの鉢物生産は、3〜5月と9〜11月を中心にほぼ周年生産され、品種はキリンビールポールセンなどの他、岐阜県内で育成された品種などが生産されています。主な生産地は、糸貫町、海津町を中心とした西濃地域、岐阜地域です。
 年間296万鉢が出荷され、全国の91%のシェアを占める大産地で、年々生産量が増加しています。出荷先は全国くまなく行われていますが、特に関東での割合が高いのが特徴です。
 5月の母の日には、カーネーションに変わってミニバラの鉢物が贈られるようになりました。この契機となったのは、大阪植物取引所の近藤弘専務の発案によるもので、バラの生理的な開花特性とも相まって、大きな需要を生み出しています。
 生産方式は、Ebb&Flow(プールベンチ)による自動潅水方式で、ムービングベンチ・システムを取り入れた生産効率の高い栽培方式が用いられています。また、環境に配慮した循環式養液栽培システムに対しても積極的な導入が行われています。 大規模生産者として、(有)セントラルローズ・ナーセリー、(有)ブロメリア・ギフがあります。