鎌形准教授の研究内容

分子の動きの観点からタンパク質の秘密を探る

単分子蛍光顕微鏡とその関連技術を独自に開発し、DNA・タンパク質複合系の物性や機能を 分子の動き の観点から解析してます。 特に近年では、タンパク質の 液-液相分離の研究分子の機能や生命現象を制御する分子の設計 をしてます。

注釈

液ー液相分離:

液-液相分離とは、液体が均一ではなく、異なる性質を持つ液体が混ざり合わない状態で存在する現象です。 この現象は、細胞内でも起こっており、特定のタンパク質などが集まって液滴状の構造を作ることで、細胞内の様々な機能を担っています。

液-液相分離の重要性:
  • 細胞内の構造と機能の理解:

  液-液相分離は、細胞内の構造形成や、様々な生体反応の場を提供する上で重要な役割を果たしています。

  • 疾患のメカニズム解明:

  多くの神経疾患やがんにおいて、液-液相分離の異常が関与していると考えられています。

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蛋白質の集団としての機能を測り、制御し、創る

液-液相分離を以下の3つの側面から研究

計測:

独自に開発した装置を用いて、液-液相分離の過程や、液滴内のタンパク質の動きなどを詳細に観察しています。

制御:

特定の分子を設計・合成することで、液-液相分離を人為的に制御することを目指しています。

設計:

天然のタンパク質を模倣した人工的なタンパク質を設計し、液-液相分離の性質を調べたり、新しい機能を持つ液滴を作製したりしています。 国内外の研究者 とだけでなく 製薬メーカーとの共同研究 もしています。

この研究でわかること

液-液相分離のメカニズムを解明することで、これらの疾患の新たな治療法開発につながることが期待されます。

この研究を通して得られるもの

以下のことを学ぶことができます。

  • タンパク質化学: 分子設計の方法を学びます。

  • 実験技術: 試料調整や単粒子蛍光顕微鏡を使った実験方法など、様々な実験技術を習得できます。

  • データ解析: 実験で得られたデータを独自のソフトで解析し、そこから意味を読み解く方法を学びます。

学生指導にあたっては:

  • 研究の仕方を1つ1つ丁寧に教えます

  • 日々話し合いながら、研究を進めます

  • 顕微鏡で見えるタンパク質"一分子"の世界にワクワクしてほしい

などを念頭に研究指導にあたります。