大気中微粒子の観測 - カルシウム(Ca)を含む土壌粒子の動向と黄砂

黄砂    カルシウム(Ca)を含む土壌粒子の動向と黄砂    2002年〜2004年・採取された土壌粒子に含まれるCa・Sの割合の動向      2006年〜2015年 大気浮遊土壌粒子の観測と中国の黄砂発生状況

●2002年に採取された土壌粒子に含まれるCa・Sの割合の動向
中国砂漠の土壌にはカルシウム(Ca)成分が日本の土壌よりも多く含まれることが知られており、採取される粒子の成分との関連性が予想されます。
カルシウム(Ca)を含む土壌粒子の月毎の割合の変化と、黄砂が日本で確認された日数(気象庁報告)の変化を比べてみました。

2002年Ca・S割合の動向(折れ線グラフ)と
気象庁黄砂観測情報(棒グラフ) ・黄砂の飛来した春頃(3〜5月)とにかけて、カルシウム(Ca)の割合が高くなっています。
この年には、3月に6日間、4月に10日間、11月に1日の黄砂の飛来が観測されています。 5月は岐阜では黄砂は観測されていませんが、5月下旬に対馬と隠岐で黄砂が観測されていますので、 この黄砂が西風とともに拡散し、岐阜にも届いていたのではないかと考えられます。

・Caと合わせて硫黄(S)の割合も高くなっていました。
黄砂の中和作用(黄砂が風に乗って運ばれているうちに、黄砂に含まれる炭酸カルシウムと、酸性雨に含まれる硫酸が化学反応を起こし、硫酸カルシウムになる)を実証していると考えられます。

(参考文献:佐藤節子,土川沙織,東義人,平塚章寛:岐阜大学教育学部研究報告=自然科学=,第31巻,2007)

黄砂    カルシウム(Ca)を含む土壌粒子の動向と黄砂   

2002年〜2004年・採取された土壌粒子に含まれるCa・Sの割合の動向     2006年〜2015年 大気浮遊土壌粒子の観測と中国の黄砂発生状況