ふく射二色法温度計測
非接触な温度計測手法の一つに、ふく射二色法があります。当手法は、計測対象から放出される二つの異なる波長の放射輝度を測定し、それらの比を求めることによって温度に換算する手法です。一つの波長のふく射エネルギーから温度を算出する一色法の場合、対象となる物体の放射率が重要となりますが、二色法では二波長の放射率が近い波長帯を選択することで放射率がキャンセルされるため、放射率による影響を受けません。また、測定対象と検出器の間に置かれたレンズやガラス等の透過率にも影響されない利点があります。
当研究室では、検出器に高速度赤外線カメラ、ふく射媒質に水蒸気を採用したふく射二色法温度計測システムを開発し、非接触で高時間分解能な温度計測を可能にしました。当計測システムを用いて極超音速推進機のアフターバーナ―から排気される高エンタルピー超音速ジェットを計測し、得られた温度分布からエンジン性能を把握することを目指しています。これまでに、マッハ2で噴射される水素ー空気混合気の燃焼ガスを対象に温度計測を行い、燃焼ガスの温度分布および時間変化を正確に捕らえることに成功しています。
超音速水素燃焼ガスジェット(左)の二次元温度分布(右)
【研究成果】