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微小重力燃焼

 可燃性固体材料上の火炎の燃え拡がりは、地上と宇宙のような微小重力環境とでは異なる燃え拡がり挙動を示します。そこで、重力レベルによって燃え拡がり挙動がどのように変化するのか調査・研究しています。また、微小重力環境において燃え拡がり得る最低の酸素濃度(限界酸素濃度)を定量的に予測する手法を構築し、航空機実験や軌道上実験などにより予測した結果が正しいか検証しています。
 本研究で得られた知見は、燃焼科学の深化に寄与するだけでなく、将来の有人宇宙活動における火災安全の向上や宇宙機の設計に貢献することが期待できます。なお、本研究は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の主導する第3期「きぼう」利用重点課題「火災安全性向上に向けた固体材料の燃焼現象に対する重力影響の評価」(通称:FLAREプロジェクト)の一部として進められており、現在、国際宇宙ステーションにおいて軌道上実験を実施しています。また、FLAREプロジェクトの後継となる「FLARE2」および「FLARE3」が現在動き始めています。

微小重力環境(左)と地上(右)におけるアクリル樹脂シートの燃え拡がり挙動

微小重力環境(左)と地上(右)におけるアクリル樹脂シートの燃え拡がり挙動

【研究成果】

  1. S. Takahashi, R. Oiwa, M. Tokoro, Y. Kobayashi, Flammability Limits of Flat Materials with Moderate Thickness in Microgravity, Fire Technology 57(5) (2021) 2387-2406.
  2. Y. Kobayashi, K. Terashima, M.A.F. Borhan, S. Takahashi, Opposed Flame Spread over Polyethylene Under Variable Flow Velocity and Oxygen Concentration in Microgravity, Fire Technology 56(1) (2020) 113-130.
  3. S. Takahashi, K. Terashima, M.A.F. Borhan, Y. Kobayashi, Relationship Between Blow-Off Behavior and Limiting Oxygen Concentration in Microgravity Environments of Flame Retardant Materials, Fire Technology 56(1) (2020) 169-183.

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岐阜大学 工学部 機械工学科
燃焼研究室

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