似 て非なるもの

 あっという間に2月も終わりになります。今回は、修論発表3名、卒研発表5名でしたが、最後の1ヶ月皆頑張って仕上げていましたので、なんとか様になったか な、と思います。大学業務も前半がおわり、まあ一息。
 この時期、いつも思いますが、この集中した1~2ヶ月の発表に向けた作業の中で学生さんたちは何を学んだのだろう、と。それはこちらでは分かりませんが、記 録はちゃんと残っていきますから、やり遂げた証は後輩たちには伝わっていきます。それだけが、存在理由。うまく行けば、さらにPaperとしても世にアピール できるものも残ります。

 季節も下旬になってようやく春らしい気温になりつつあります。中旬は寒く、全国的な大雪で、関東甲信越では記録的な大雪でした。今でも大量に雪が残っている 地域も あるようで、今後は雪崩も心配です。それにひきかえ、というか、幸いに、というか、この岐阜市では例年に無く雪が少なく、通勤で困ることもあまりありませんで した。朝、車の窓がガリガリに凍りついて困った、ということも1回ぐらいしかありませんでしたので、現在車に置いてる2本の解氷スプレーも十分残ったままで す。去年は毎朝のように使っていてほぼ2本使っちゃいましたから、だいぶ去年の冬とは違います。

 この2月初めには、交響曲「Hiroshima」の作曲者とされた佐村河内氏に は影武者がいたという話が明るみに出て、一種の事件になりました。嘘がバレた ということで、がっかりした人も多かったでしょう。僕もこの曲のCDを発売後すぐに買って、よく聴きました。僕の琴線には触れなかったものの、 Hiroshimaの悲惨さをよく表している曲だなぁ、とは感じていましたが、実は影武者さんとしては別にHiroshimaを意識して作ったわけではない、 ということで、最初の思い込み(作られた構図の中で)で聴く印象と、実情が明るみに出たあと聴く印象とは、だいぶ違うものだな、と思い知りました。しかし、本物とは似て非なるものではあっても、それなりに良い交響曲だとは今でも思います が。。。

 そして、まだコメントは言うべきではないのかもしれませんが、昨 月この雑記でも取り上げたSTAP 細胞の話、まだ出てから 一月も経っていませんが実は本物の万能細胞ではなかったのでは、という疑惑が浮上しているようです。今、STAP細胞で検索するとこの話題ばかり、大事 な論文の一部にウソの画像が使われていた、ということで、過去の論文も精 査の対象になっているようです(Nature誌では、「Acid-bath Stem Cell」と表現しているので、いわば「酸ヶ湯幹細胞」と命名したほうがいいのか?青森には酸ヶ湯(すかゆ)温泉という有名な温泉がある)。最初から、色んな 面で???だらけの話であると昨月の 雑記でも書きましたが、妄想を引き起こしただけのSTAP(Psychoな)細胞の話だったとしたら、とても残念です。もっとも気がかりなのは、まだどこから もデータを再現した!という話が第3者から出てきていないこと(すぐやるはずのアメリカからも出ていない)。共同研究者の人(若山氏)からも山梨大ではまだ再 現出来ていない、という発言もあるので、より信用度は低く なっています。
 それ程に再現性が困難な限定的な細胞なのか、どうか。万能細胞とは似て非なるものだっ たのか。いや、そもそも似て非なるもの(遺伝子の発現などで)をただ万能細胞と勘違いしただけなのか。
 研究者本人が「ウソでした」と言わない限り、本当にSTAP細胞はできないということを証明することは困難です。ないことを証明するのは大変困難。100万 回 に1回しか起きないことことでも、1回ちゃんと起きれば真実だ、ということになりますからね。少なくとも、iPS細胞よりは簡単に作れる、というのは間違いであるようでは ありますが。昨月の雑 記でも書きましたが、そう簡単にできるはずがない、とは思いますので、眉に唾して成 り行きを見守りましょう
 やはり2007年同様、ウソな話で終わりそうな13年度、でした。

(2014.2.28)