園芸学は、「園芸」という産業を基盤とした学問であり、産業としての園芸の発展に寄与することが重要であると考えます。したがって、私は、出来る限り生産現場と直結した問題点から研究課題を取り上げたいと考えています。このためにも生産者との交流を密にし、情報交換を行うと共に、研究成果についても速やかに生産現場に反映させたいと考えます。
園芸学の研究を通して園芸植物の生長を把握するとともに、植物を育てることを通じて精神的な豊かさをはぐくみ、さらには園芸生産者との交流を深めることで人間関係を育成したい。また、研究室内の種々の行事(産地視察、飲み会、大学祭での園芸植物販売など)や研究室の運営を通じて協調性を養いたい。研究室内の研究は、教官と大学院生が4年生を指導する「集団指導体制」を取っている。この過程を通じて大学院生にはリーダーとしての立場を理解し、今自分が何をしなければいけないかを把握できる人間性を養い、学部学生には指示されたことを的確にこなし、新たな目標を常に設定できる自主性を養いたい。
特に、私個人としての教育方針としては、園芸業界に貢献できる人材を育成したいと考えており、なかでも生産現場により近い、できれば園芸生産後継者の育成に力を注ぎたいと考えています。
いわゆる「象牙の塔」のなかに閉じこもるのではなく、地域社会との関係を積極的に持ち続ける教育・研究者となることを目標としています。特に園芸学を目指す人間として、地域社会に必要とされる大学人でありたい。岐阜大学は地方大学であり、そのベ−スとして、まず岐阜県あるいは東海地域に根ざした教育・研究者であることが重要ではないかと考えます。
したがって、研究室に園芸生産農家が訪問することは大歓迎ですし、メールでのご相談にも積極的に応じています。岐阜県、東海地方に限らず質問がありましたら、左記にメールをいただければ出来る限りお答えいたします。 福井博一へのメール送信
日本の園芸業界を考えると、これからの課題として、「環境問題」、「情報流通」、「国際問題」が挙がってくると考えます。特に環境を常に考えながら園芸生産を行っていくことは、消費者に必ず受け入れられる方向性ではないかと思います。また、景気の低迷に伴い価格の低迷が顕著に見られていますが、生産技術、消費者のニーズ、需要と供給情報の的確な連携が必要であり、この延長線上には国際化に対する解決方法も自然と見いだすことが出来るのではないでしょうか?
「教授の一言コラム」ではこの点について、各種提言を述べています。是非、ご一読下さい。 「教授の一言コラム」