植物分子生理学研究室
Lab for Plant Molecular Physiology, Fac Appl Biol Sci, Gifu University
アスカのビーストモード
アニメエヴァンゲリオン序破Qの話である。多数のコアなファンを生み出した話題作ということなので気になって見てみた。2-30年前に放映されたとかいうTV版は見ていない。序破と続けて観た第一印象は「メンヘラの中二男子に世界の運命が託されるという新機軸???」である。
それにしてもストーリーとつじつまが合わないシーンが謎として多く残る。どのシーンも意図的にはめ込んであるようなので、「脚本がテキトー」ということではなさそう。ネットでちょっと調べてみると、小児向けの精神科医が「最近エヴァンゲリオンの話を熱心にする患者が多くなり、私も観てみたらハマってしまった」という記事に出会う。
ということで、違和感が残った事象がしっくりくるように話を再構築することにした。個々の事象を組み合わせて世界を構築するのはサイエンスと同じ作業である。いつも通りに「最もシンプルな構築方法、全体像が感覚的に受け入れ可能であること、主要な事象が取り込めるなら多少の積み残しや齟齬は気にしない」で進める。
そしてもう一度映画を観ると、表層のストーリー(巨大な敵から地球を守る少年ヒーロー)と裏ストーリーのどちらか一方だけでは一本の映画を通して観られないようになっていることに気づく。段差のある道をガタガタと車で走るような感じで、両方のストーリーを行ったり来たりすることが強いられる。観ていると裏ストーリーの修正の必要を感じる。そしてもう一度観たくなる。変わった映画である。
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話は変わるが、その昔ダーククリスタルという人形劇の映画を観た(1982)。映画が中ほどまで進んだところで、主人公の男の子(和音が出せる二股フルートを持ち歩いている)と旅を共にする女の子が崖から落ちるのだが、女の子の背中の羽のおかげで二人とも助かるのである。男の子が「君が飛べるなんて知らなかったよ」というと、女の子は「だって女の子だもの」と返す。この映画を観て私は「女の子には羽が生えている」ことを学習した(実物はまだ見てないので信仰というか、そんな感じである)。
そんな私であるが、エヴァを観て「女の子にはビーストモードがある」ことを一瞬で理解したのであった(2021)。アスカのビーストモードはシンジを救うためにのみ使われるのであり、その名や形状に反してとても尊いものである。私はメンヘラのシンジにも彼の世界にも全く興味を持てないので、彼の世界が赤い海に覆われようがリリスが外界に醜い姿を晒そうがどうでもよいが、アスカの捨て身の奮闘だけは報われて欲しいと切に思った。
おまけ: <エヴァ鑑賞メモ>
2021.2.2
追記:映画のゴジラ-1.0を見ていたら、エヴァはゴジラ物であることに気が付いた。
2024.4.1
Highly Cited Researchers of Gifu University