留学の思い出2

 


前回の文を読み返して見ると楽しそうなのはいいが、年中遊んでいたように読める。

誤解を解くために言っておくと、旅行していないときは真面目に働いていた。ポスドクなので学休期間とか祝日のカレンダーは無視していた(Yale大は感謝祭(10月)以外の祝日はなかったが)。大学院生時代に編み出した「月曜日がつらくならない秘技」で土曜は全休、日曜は昼から半日出勤して月曜日に繋げる。治安の悪い町だったので夜遅くまでは残らず、夕食が間に合う時間に帰宅していた。まあ、新婚だったというのもある。

私はクリスチャンではないのでクリスマスの日にもラボに顔を出していたが、シンガポールから来ていた留学生も当然のように実験していたのを覚えている。ドイツスペインのポスドクとアメリカ人学生はクリスマス周辺は休みで親元へ帰る。ユダヤの人はクリスマスではなくてハヌーカ。正月の三ヶ日は日本人の私は休んだが、他の人たちは1/2から出勤である(!)。二月に正月を迎える人もいる(旧暦、中国系の人)。ボス1は中国本土出身の苦労人だったが、クリスマスに居残っている我々を見かねて毎年ホームパーティに誘ってくれた。(まずい、また年中遊んでるみたいになってしまう)

週末明けとか休暇後にはラボのティータイムで「休みはどうだった?」という話になる。そういえばホストラボではティータイムではなくて「コーヒータイム」と言っていた。3時頃のブレイクのことであるが、紅茶は誰も飲まなかったので。コーヒー豆はラボメンバーが順番に買っていた。だいたいはSerious Coffeeという商標を掲げる町のコーヒーショップで買うのだが(不文律)、ある日誰かが全国チェーンのスーパーで安さと量だけが取り柄のコーヒーを買ってきたときには全員のブーイングを浴びていた。まずいコーヒーの量が多いというのは二重に罪深い。内容のないプレゼンを長時間するのと同じことである。

院生時代には上述の秘技に加えてラボにいるのは1日11時間までというルールも作っていた。11時間労働を超える日が続くと私の場合疲労が蓄積して週間の仕事量は落ちる。留学を機に結婚してからはそこまでは働かなくなったので、体力的にはその後ずっと余裕がある。大学の先生になってからはパソコンに向かうのが主な仕事になり過労はまず目(からの頭痛)にくるようになってしまったので、達成感を伴う適度な疲労を得るのは少し難しくなった。何を言いたいのかというと、、、

留学中は真面目に働いていたという話をしたかったのだが、何故かすべて不発に終わってしまった。要約すると留学は楽しいということで。


注1: Xing-Wang Deng。Yale大のラボは引きはらい、北京大(略称は北大: BeiDai)に在籍中。


2020.10.14


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