進歩

 

昔(平成のはじめのころ)は論文を図書館へ「探しに行く」という作業があった。一度行くとだいたい半日かけて図書館の雑誌を読み漁り、選んだ文献のコピー取りをする。コピーはとてもかさばるので、面倒ではあるが出来るだけ両面コピーにしてとっておく。ラボを移る際は論文のコピーも段ボールに詰めて新しい住所へ送る。


コンピューターファイルを印刷するのは一苦労であり、当時珍しかったレーザープリンタは基本的にはOSやソフト、フォントととの相性が「良くない」のであった。出版用の印刷物を用意するためには、あらゆる工夫をして印刷できる条件を探し出す必要がある。従ってプリンターで印刷する、というのはチャレンジであり、経験値と時間と運を必要とする気の重い作業なのであった。それでも、ロットリングとテンプレート(物差しのようなものであるが、字の型が抜いてあり、なぞるとテンプレート通りの活字が書ける)、圧写式シール(スクリーントーンのようなもの)を使って手書きの図を用意していた時代と比べると「ラクになったね」と言い合うのである。


コンピューターの時代になったといっても、まだまだ画像関係は出版で必要とされる水準には達しておらず、電気泳動像やオートラジオグラフなどは写真を現像して図にしていた。手順としては、1)元データを写真に撮る、2)ネガを現像する(自分でやる)、3)調子を見ながら印画紙に焼き付ける、4)台紙にラベルを印刷して会心の写真を切り貼りし原図完成、5)原図の写真をとる、6)調子を見ながら印画紙に焼き付ける、といったところである。暗室に籠もって印画紙に焼きつける作業はつい熱中してしまうので(人によるが)、これだけで半日はかかる。


今(平成のおわりころ)は文献検索はオフィスに居ながらにしてインターネットで行えるし、論文ファイル自体もワンクリックでfetch出来てしまう(EndNoteありがとう)。 印刷は全く試行錯誤なしに出来ることがあたりまえのように期待され、実際その通りになる。暗室に籠もる必要は無くなった。すばらしい。


さて、何かと便利になった現在、他の作業に時間をとられることなく常にパソコンと向かい合って仕事をしている。今仕事のボトルネックとなっているのは、「モニターの見過ぎで目が疲れる」ことである。私の場合調子が悪いと一日9時間程度で限界になってしまう。さて、どうしたものか。

 現在の液晶モニターは昔のブラウン管のものに比べると疲れ目になりにくい。位置や角度、輝度が自由に調節できるのでなかなかいいのである。そうするとボトルネック解消のために改良すべきは目からその先ということになる。目を使うから疲れるのだ、という意見に立つなら、画像情報の取り込みは目をスキップして神経細胞へ直接流し込むことにすれば眼精疲労(目の筋肉疲労)とは無縁で仕事ができるようになるかも知れない。「睡眠時間が必要」というのは今も昔もボトルネックであるが、何か劇的に効く新薬が開発されて克服できる日が来るかも知れない。そうなれば晴れて一日24時間、一年365日フル稼働できるのである。



2011. 1.28


その次にくるボトルネックは「書類作成に時間がかかる」である。お気楽ないるかのカイル君が改心してテキパキと書類をこなしてくれる日は来るのであろうか?



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