Atomeyeの使い方


ご存知Ju Liによる可視化ソフト.
CNA解析,von Mises shear strainなど自動的に計算してくれるし いろんな面で切断したり,その状態で動画作れたりとすごくパワフル.
ただ,二元系で「CNA解析+元素違いでの可視化」などはできない (出来るのかもしれないがやり方わからん)ので注意.

atomeye2のページ
atomeye3のページ
以下にatomeye2の使用方法を説明する.

必要環境,ソフト


他のLinux計算機上のデータを,手元のLinux計算機のX-window上で見る方法

手元のLinux計算機の端末上で,ssh -X でリモートログインする.
	[mdcalc@univ2015-1 ~]$ ssh -X mdcalc@192.168.3.171 (ユーザー名@リモート計算機のIPアドレス)
	mdcalc@192.168.3.171's password: 
	Last login: Mon Aug 17 11:17:52 2015 from 192.168.3.170
次のように環境変数を設定する.
	[mdcalc@univ2015-2 ~]$ export DISPLAY=127.0.0.1:10.0
    

この例では,192.168.3.170のuniv2015-1から192.168.3.171のuniv2015-2にsshでログインし, univ2015-2上でatomeyeを実行するがその画面は手元のuniv2015-1上で表示される.

これだけは知っとけ!cfgフォーマット

先頭の空白は許されない
fortran使いでの最初のトラップがこれ.atomeyeのページを読んで準備してもエラーがでる.
理由は「先頭に空白があるとNG」
なのでfortranではイチイチ書式指定しなければならない.

全方向周期境界が強制
少ない原子を表示するとめちゃくちゃに表示される
表面とか作りたいなら,セルサイズを1.5倍とかにして空白作ること

セルサイズlx, ly, lz,z方向周期境界なし, 原子数nの鉄原子データのfortranでのcfgファイル作成プログラム例

open(100,file="check.cfg")
write(100,'(A22,I8)') 'Number of particles = ',n
write(100,'(A16)') 'A = 1.0 Angstrom'
dmy=0.0
write(100,'(A10,F10.5,A2)') 'H0(1,1) = ',lx,' A'
write(100,'(A10,F10.5,A2)') 'H0(1,2) = ',dmy,' A'
write(100,'(A10,F10.5,A2)') 'H0(1,3) = ',dmy,' A'
write(100,'(A10,F10.5,A2)') 'H0(2,1) = ',dmy,' A'
write(100,'(A10,F10.5,A2)') 'H0(2,2) = ',ly,' A'
write(100,'(A10,F10.5,A2)') 'H0(2,3) = ',dmy,' A'
write(100,'(A10,F10.5,A2)') 'H0(3,1) = ',dmy,' A'
write(100,'(A10,F10.5,A2)') 'H0(3,2) = ',dmy,' A'
write(100,'(A10,F10.5,A2)') 'H0(3,3) = ',lz*1.5,' A'
write(100,'(A13)') '.NO_VELOCITY.'
write(100,'(A15)') 'entry_count = 3'
write(100,'(A4)') '55.8'
write(100,'(A2)') 'Fe'
do i=1,n
write(100,'(3F10.5)') x(i)/lx,y(i)/ly,z(i)/lz/1.5
end do



Atomeyeの起動

Linuxの場合は実行ファイルをディレクトリに置いて ./A.i686 cfgfile,またはパスの通ったディレクトリに 置いてA.i686 cfgfileで実行するだけ.なので以下はWindowsでの説明.

2015.6注記: cygwin+Xの組み合わせでは,最近はほとんど動きません.エラーメッセージも出ず何も起こりません.
ぐぐっても 海外での同様の質問に「一番いい解決方法は,ubuntu等のUSBでLinuxを起動することだ」などの回答しかなく 誰もwin上でatomeyeを使おうとは思ってないようです
  1. cygwinからstartxと入力してxwindowを立ち上げる.エラーメッセージ出して落ちても,再度挑戦すると立ち上がるなど不安定なときもあり.

    (上のアイコンはノートパソコンの[Fn]キーによるものなので無視してください)
  2. cygwinのホームディレクトリにatomeye関係のファイルを置いて,./A.exe check.cfg と入力して起動. これまた一発目ダメでも二回目OKとか不安定.

  3. Linuxはマウスでwindowサイズ変えられるが,cygwinのx-windowはできないので,可視化画面上でctrl+sを押すと コマンド画面でサイズを聞いてくる.マウスでコマンド画面クリックし数値を入力.
    また,可視化画面上でAlt+hでCentral Symmetry Parameterによる欠陥可視化してくれる.
    図は表面原子,転位,非整合析出物界面が表示されている.なお,整合析出だと析出物の可視化ができない. 誰かやりかた知りませんか?


  4. 回転,移動,切断面の移動,カラーリングの閾値の変化などは, 1〜9?の数字キーを押して(ギアボックス)細かい数値から粗い数値に変えたりできる. 例えば9(だったかな)を押してカーソルキーで回転させると90°ずつ回転し, 1を押すと0.1°とかそんな感じ.詳しくはマニュアル参照.
  5. 可視化画面でshift+1を押すと切断面を聞いてくる. コマンド画面上で「切断面の外向き法線ベクトル」「その原点」を指定する. 上の表面原子を取り除きたいので 0 0 1 0.5 0.5 0.6 と入力すると以下のようになる.

    可視化画面を押してから,shift+右,左で法線ベクトルの上下方向に切断面を動かせる. その移動量は先ほどのギアボックスバリューによって変わる.
    また,可視化画面上でもう一度shift+1を押せば切断前の画面に切り替わる(何回も切替可能).

  6. Alt+gを押すとvon Mises shear strainを表示する.また,shift+2, 3のように多数の切断面を指定可能. 図は2つの切断面で切った例(間違ってshift+2のy方向断面設定してるが,図では切断表示していない).

  7. アニメーションを作るには,以下のような内容(読み込むファイル数,ファイル名・出力ファイルのリスト)を 書いたscr_animというファイルを同じフォルダに用意しておいて, 画面上で操作した角度・切断面を決めた上で可視化画面でyを押せば jpgファイルを出力してくれる.
    ただし,ファイル数は90程度までと,rasmolと違いあまり沢山のフレームは作成できない.

    80
    00000.cfg Jpgs/00000.jpg
    01000.cfg Jpgs/01000.jpg
    02000.cfg Jpgs/02000.jpg
    :

以上!
エネルギーや応力などの値をカラーマップで表示するのは自分で調べること. (上限・下限とかの情報がどうなってるのかわからん)