林正子さん(岐阜大学地域科学部教授・日本文学)
第30回岐阜大学芸術フォーラム印象記
本日(9月25日)は、第30回岐阜大学芸術フォーラムでのガムラン・グループ「スカルムラティ」の演奏を聴かせていただいて、どうもありがとうございました。個人的には、このところのほとんど喧騒とも言える慌しい生活のなか、荒野でオアシスに出会ったような気分にさせていただきました。貴重な機会のご案内いただき、心より感謝しています。本当にどうもありがとう!
私自身は、ずいぶん久しぶり(足掛け3年ぶり?)に芸術フォーラムにうかがいましたが、片岡さんご夫妻はじめ以前からの常連の方々のお顔もお見受けし、やはり参加者を惹きつけずにはおかない素敵な会は、メンバーの入れ替わりや参加人数に変動はあっても、しっかりと継続してゆくのだとつくづく思われたことでした。
今回のプログラムについて言えば、ガムランというジャワの音楽も楽器もまったく初めてうかがった次第ですが、素朴でありながら優雅な音調と、メンバーの皆さんのとても真剣でありながらおだやかな表情とが相俟って、まさにジャワ王朝の雅曲を自然体で聴かせていただいた気分・・・・・・「スカルムラティ」というグループ名は、インドネシア語で「ジャスミンの花」という意味だそうですが、その芳香が香ってくるような雅びと長閑の調和の世界を堪能させていただくことができました。
ガムランという打楽器も、皆さんの演奏をうかがっていると、<打つ>というより<響かせている>印象で、実際に、私自身の胸のあたりで、奏でられた響きが共鳴していたように感じました。初めてであるのにどこか懐かしい印象があったのは、そのためかも知れません。
また、「スカルムラティ」の主宰者である尾関さんのご主人のお父様がお隣りにすわっていらっしゃったものですから、演奏後、ご家族で実際にジャワにいらっしゃった折のお話等も多々うかがうことができました。ガムランの演奏のみならず、当地のごようすなどをうかがうことができたため、同じアジアの国でありながら、これまであまり馴染みのなかったインドネシアがズ〜ンと近くなったように感じられた次第です。
それから<会場>も最高でしたね。教育学部美術棟の屋上には、岐阜大学に勤めて18年目に初めてあがらせていただきましたが、まさに芸術フォーラムのために用意されたような<舞台>・・・・毎日毎日、キャンパスの駐車場や停留所から各自の部局の事務室、研究室、教室等々に向かい帰宅するだけだと、この至宝のような場所に気づくことはないでしょう。この<舞台>をはじめ岐阜大学のキャンパスには、すばらしいスポットが多々あるにちがいないと予感させられる体験でした。
芸術フォーラムには、主に音楽を専門的に楽しんでいらっしゃる方々がかなり遠方からいらっしゃっているようですが、岐阜大学人にも、勤務先の素晴らしいロケーションと至宝の<舞台>に気づいていただけたら、さまざまな分野の交流が生まれて最高なのに・・・・としみじみ思われたことでした。今後、まずは身近な同僚たちにも、今回の芸術フォーラムのごようす等を伝えたいと思っています。