中心窩を有する新しい視覚センサの開発

[English Version]


概要

本研究で対象とするシステムを図1に示す.

 視覚情報は,移動ロボット,AGV,複雑な物体の把握・搬送などの制御 に不可欠であるが,通常のCCDカメラと画像処理装置による視覚情報入力 装置は,その画素分布,濃度階調ともに視野平面内ですべて一様であり,1 画面当りの情報量が非常に大きく,画像の取り込みやデータの処理に時間を 要する.一方,人間の視覚には,視野の中に中心窩と呼ばれる高い視力をも つ領域が存在しており,広い視野範囲をもちながら,脳が処理すべき画像情 報を大幅に削減している.  本研究では人間の視覚機能の特徴を活かした新しい視覚センサを提案する. これは,視野内に高解像度の注目点である中心窩をもち,必要に応じて注目 点の移動を行うことで,広い視野を保ちつつ処理に必要な画像情報量を大幅 に削減できる視覚センサを実現しようとするものである.本視覚センサは, 通常のマトリクスCCDカメラと視野の中心を拡大し視野の周辺を圧縮する 非球面レンズから構成される.本報では,本視覚システムで中心的な要素で ある広角高歪曲レンズの試作および,その性能評価を行った.また,本視覚 システムを用いた画像処理プロセスについても検討を加えた.


Yamada Home Page

Muto Lab. Home Page

yamada@cc.gifu-u.ac.jp