本研究では,積層型ピエゾ素子を用いた高速油圧ディジタル弁の試作を行った. 本ディジタル弁ではポペット弁部の変位拡大機構として油圧を用いているが, この場合温度による変位の変動が問題となる.そこで,作動油のリークを積極的 に活用した温度補償法を採用した.試作したディジタル弁の静特性と動特性につ いて,実験およびシミュレーションによる評価を行ったところ,切り換え時間が 0.7ms以内,PWM搬送波が500Hz程度までの高速駆動が可能であり, また温度変化に対してもポペット変位の変動が少ないことが検証された.
※本研究は アーヘン工科大学油空圧研究所との共同研究により行われました.