横井みのり

2年間の大学院生活,ゼミ活動,修士論文の執筆は,予想していた通りあっという間であった。

この2年間で学んだことは,正直なところあまりない。

大学院生としての2年間は,実に暗くて薄っぺらいものであったように思う。

この振り返りでは,そんな私の暗くて薄っぺらい2年間を,包み隠すことなくありのまま振り返りたいと思う。が,これを読んで気分を悪くされる方がいるかもしれない。先に謝罪しておく。すみません。


4年生のときのゼミの振り返りでも述べたが,本当に人嫌いなのだと実感する2年間であった。

大学に来るたびに,「どいつもこいつも…」と心のなかで毎日毒を吐きながら登校した2年間であった。

精神衛生上宜しくないとは思うが,程度の低い人間を見るたびに,そしてそんなことを思ってしまう自分自身に嫌悪しながら,毎日を過ごしていた。

この2年で人間的に好きになった人は皆無で,むしろ「敵」が増えた。

それは,思いやり (表面的な思いやりではなく,本当に相手を慮った思いやり) のない人間,常識やマナーのない人間,論理的な思考でない人間など,「敵」は実に様々であり,「世の中にはこんな奴らしかいないのか,もう死にたい」と思うほどであった。

しかし,ふと自分に立ち返ってみて,では私自身はよほどできた人間なのかと問われれば,そんなことは一切なく,私は自分のことを性格も口も悪い,基本的に自分本位のクズだと思っている。そんな自分を棚に上げて,他人を攻撃する自分こそが実は最大の「敵」なのかもしれない。本当に傲慢な人間で嫌気がさす。

約6年間心理学を学んできたわけだが,心理学に関して思うこととして,心理学を専攻している人間は本当に特殊な人が多いと思った (今もそう思っている)。

これは持論だが,心理学を専攻する人の多くは (全員というわけではないが),ある種繊細で他者への配慮に欠けていることが多いように思う。心の機能の一部が欠けているからこそ,無意識的に「心の学問」と呼ばれている心理学に惹かれるのではないだろうか。

心理学を志す人は往々にして「自分のことを知りたい」,「自分の欠点を何とかしたい」という内向的な人が多い。だからこそ,その興味関心は自身の心 (感情・思考・行動) へと向かい,他者への振る舞いが疎かになり,結果として配慮の足りない態度・行動が現れるのではないかというのが私の推測である。

私もそうである。自分のことにばかりに意識が向き,自分の劣等感や不全感に苛まれながらも,結局は自分が可愛くてしょうがない。本当に可愛そうな生き物だと常々思う (可愛いだけに)。

自分を評価するのは自分でもあるが,社会的に認識される「自分」というのは他者からの評価によって構成される。そのこともきちんと頭に入れながら,自分という存在を形成する精神と言動に責任を持って,生きていきたいものである。

私の好きな人,尊敬する人は皆自分の「軸」というものを持っている人である。誰に何を言われても自分の言動を省みない所謂「ガンコ者」ではなく,時には他者を慮る柔軟性を持ち合わせつつも自分がどう考え,何をすべきかを常に見据えて行動している人たちである。大学でそうした人に出会えたのは本当に幸せなことであったし,私もこれからそういう人になりたい。

この2年間は本当に多くの方にお世話になりました。特に,ゼミ生のみんなには,実験等でいろいろと迷惑をかけたように思います。振り返りということで,みなさんに一言送りたいと思います。本当は追いコンの時にでも言おうと思ったのですが,忘れそうなのでここで贈る言葉を。お世辞とかではなく本心100%なので,気分を悪くされるかもしれません。悪しからず。異議申し立ては横井までどうぞ。


まずは加藤さん。同じ同期として約2年間お世話になりました。最初は,「教職基礎の変な子」っていう印象だったけど (今も割とそうだけど),それだけじゃないなとは思います。何事にも一生懸命で,純粋で,真面目で,それゆえにいろいろ闇も抱えていたりして… (笑)。なかなかゼミ室で顔を合わせることはなかったけど,加藤さんと同じゼミで良かったなと思っています。他の人とは違った考え方とか感性とかはそのままでいてほしいですね。これからもいろいろあると思うけど,大阪でも頑張って。

次に4年生。卒論と就活,教採,院試お疲れ様でした。みんなそれぞれ進路は決まったようで何より。4年生は,悪い意味でマイペースだったかなと思います。私には言われたくないかもしれないけど,もうちょっとちゃんとした方がいい。「ちゃんとする」っていうことがどういうことかは各自考えるように。


後山さん。ちゃんとしよう。もう十分わかっているとは思うけど,後回しにするとそのツケは後々自分にやってくるから。あと,そのいい加減さに他人を巻き込むのはやめよう。

大嶽くん。物事をしっかり考えていたり,やることをしっかりやるところは良い。でももう少し人の話を聞いたり,その場の雰囲気を読めるようになるとさらに良いかも。

中村さん。もっとサバサバしてるのかと思ったけど,シャイなのかなってかんじ。青年漫画とか独特なものが好きで好感がもてる。一度腹を割って話したい。

本当はゼミを出る人にだけ一言送ろうと思ったけど,ここまで来たら全員に送らせてもらいます。

内木さん。しっかりしてそうに見えてしっかりしていない。元同期の某Yと少しだけ同じニオイがする。もう少ししっかりしよう。早め早めの精神は錬磨できましたか。

大塚さん。女子だなあってかんじ。でも意外とサバサバしてるのかな。1,2年のときよりは印象はマシになりました。アイドル活動 (?) 頑張って。

荻野さん。おっとりしてて声と話し方が良い。大学院に進みたいって言っていたけど,心の底からオススメしないから,進路の選択肢はいろいろ考えた方がいいと思う。

日下部さん。私とは違うカテゴリの女子ってかんじ。嫌いとかではない。でもそこまで話したこともないから,話してみたら意外と話せるかも。また追いコンで話しましょう。

メッセージは以上です。ゼミの振り返りなので,一言で済ませてありますが,本当は感謝の気持ちでいっぱいです。約2年間お世話になりました。

最後になりましたが,学部3年から合わせたら,約4年もの間お世話になった月元先生には,本当に心の底から深く感謝しています。ありがとうございました。

月元先生には,ゼミでも,ゼミ以外でも,とにかくお世話になりっぱなしで,本当に頭があがりません。この岐阜大学で,月元先生と出会って,様々なことを学び,教えていただいたことが,間違いなく今の私をつくっていると胸を張って言えます。月元先生の考え方や感覚がとても好きで,本当に尊敬しています。

月元先生とご家族のみなさん,加藤さんとで蛍を観に行ったことも,小原さんと3人で飲み会をしたことも,ゼミ室で愚痴を言ったり雑談をしたことも,今となっては良い思い出で,それらがあったからこそ,ほとんど楽しくなかった大学院生活を乗り越えることができたと思います。本当に本当にありがとうございました。

3月でこの岐阜大学を離れることになりますが,また菓子折りをもって顔を出しますので,今後とも宜しくお願い致します。

今後について。

学部も合わせて約6年間心理学を学んできたわけだが,これからも心理学を学び続けたりはしない。そんなずるずると心理学を引きずったりしない。ここに全て置いていくことにする。正直なところ,心理学はもう十分である。うん,もういい。「心」という字もしばらくは見たくない。(あと,「教育」という字も。)

失礼なことを承知で言うが,先ほども言ったように,心理学に携わっている人は自身が病んでいる人か,あるいは相当な物好きな人であろう。心理学なんてものはそういう変わった人たちに任せておけばいいと思う。

6年間で学んだこと,感じたこと,身に付けたことは実に様々であるが,それらを糧に,時には武器にして,社会でも生き抜いていきたいと思う。

正直もう生きることがしんどすぎて生きていたくはないが,死ぬ勇気も覚悟もないので,「どうせいつかは死ぬしなあ」と思いながら,精々生きていきたいと思う。

正直なところまだまだ語り足りないし,稚拙な文章で大変申し訳ないが,これ以上は大学生活や心理学,社会,生に対する恨み辛みばかりになってしまいそうなので,これにてゼミの振り返りを終わりたいと思う。お世話になりました。ありがとうございました。