太陽光発電はクリーンなエネルギーとして注目が集まっていますが、太陽光発電は日射量により発電量が左右される、日照時間外での発電ができないなど、実用面での制約があります。太陽光発電を中心とした社会システムを構築するためには,太陽光発電に関わる要素技術の研究開発だけでなく,他の発電技術により最適な電気供給システムを確立することが重要です。私たちは,このような太陽光発電と他の発電技術を組み合わせた電気供給システムをハイブリッド発電システムと名付け,太陽光発電を補間する発電などに関する要素技術の研究開発を行うとともに,太陽光発電とそれに関わる材料,技術の環境負荷の調査を実施しています。

研究内容
 本部門では以下の三つの分野をキーテクノロジーと位置付け研究を進めています。
 1. 燃料電池
 2. 環境負荷低減
 3. 環境負荷評価

燃料電池

燃料電池は次世代発電技術として注目を浴びています。燃料電池は水素をエネルギー源としていますが,水素は燃焼後,水のみを生成するとてもクリーンなエネルギーです。この水素を製造,分離,精製する技術が水素社会の構築には必要不可欠となります。

環境負荷低減

環境にやさしい発電システムの構築には,各発電技術に対応する環境負荷低減技術が必要です。環境負荷低減に関する研究では,脱硝などの排ガス処理や地球温暖化ガスである二酸化炭素の分離回収技術,バイオマスの利用などが鍵となります。

環境負荷評価

太陽光発電とそれに関わる材料,技術の実用化の際には,それらを製造・運用する際の環境負荷を予め考慮する必要があります本研究部門では,ライフサイクルアセスメントにより,環境面から見た各技術の実用化の可能性を評価しています。

 次世代型発電システムは,太陽光発電をはじめ,多くの要素技術の最適な組み合わせをシステム全体で考慮する必要があります。私たちは,このようなハイブリッド型発電システムの研究開発を通して,未来に向けた環境に優しい社会の実現に貢献します。

ハイブリッド発電システム(イメージ図)
ハイブリッド発電システムは複数の発電技術を最適な形で組み合わせ、最小限の環境負荷で電力供給を行う次世代発電システムです。

高効率高純度水素製造システム(膜反応器)
水素のみを通す環状の膜を用いた水素製造装置です。天然ガス、石油系燃料などから直接高純度水素
(99.99%以上)の水素が製造できます。水素を製造する際の消費エネルギーが小さいのも特徴です。