研究活動
機械工学科、環境エネルギーシステム専攻、未来型太陽光発電システム研究センターに所属し以下のような研究を行っています。
1. 薄膜シリコン太陽電池用のシラン/水素系でのプラズマCVDによるシリコン薄膜堆積についての研究
1-1. Si系の化学反応シミュレーション
1-2. 噴流を利用した高速製膜
1-3. 高速製膜時のガス流れの解析
2. ヘテロ接合型太陽電池の結晶/アモルファス界面の電気特性についての研究
1-1. 化学反応シミュレーション
プラズマCVD中での製膜条件の最適化を図るために、化学反応シミュレーションを用いてチャンバー内部での化学種の変化、製膜速度の再現が出来るよう研究を行っています。計算自体はソフトウェアが行うので、計算結果の信頼性はそこに入力する反応の速度定数や温度、圧力依存性などのパラメータがどのくらい正しいかに依存します。実験でこれらの値が求まっていれば良いのですが、必ずしも必要な情報全てが存在しているわけではないのでこれらのパラメータをよりよい値にしてやることが重要になります。
1-2. 噴流を利用した局所製膜とそれを利用した成膜の均一化
噴流を利用して通常の製膜より局所的ですが高速に製膜を行う手法の開発を行いました。そのメカニズムの解明と、局所製膜を工夫して均一化できるように研究を行っています。通常のプラズマCVD中の薄膜シリコンの堆積速度は速くても数nm/s程度です。本方法では局所的ですが数μm/sの堆積速度を得ています。基板が動く動的製膜法や、ノズルの形状変更や複数配置により製膜を均一化することを目的としています。
1-3. 高速噴流の流体シミュレーション
高速製膜の要因の一つとして速いガス流れによる物質移動の促進が考えられています。ANSYS社のFLUENTを使用し装置内でノズルから出たガスがどのようになっているかのシミュレーションを行っています。
2. ヘテロ接合界面の評価
HIT型太陽電池では入射する太陽光を効率よく使用するため発電効率を高めるために、結晶基板に凹凸がついたテクスチャ構造を用い光閉じ込めを行っています。光閉じ込め効果によりフラットな基板を用いる場合に比べ短絡電流密度(Jsc)が向上することが効率向上につながっていますが、同時に開放電圧(Voc)が低下してしまうという問題があります。そこで、走査プローブ顕微鏡(SPM)を用いて結晶シリコン基板上にアモルファスシリコン膜を堆積したサンプルの形状ならびに電流測定を行い、テクスチャの構造により電流分布がどう変化するか検証することを行っています。
業績
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