Laboratory of Forest Ecology
■研究紹介■

最近取り組んでいる課題
多様な樹種で構成される落葉広葉樹林での森林の成長量の調査やつる植物の調査などを行っています。ブナ林では、着生植物に関する調査を行っています。また、土壌に埋もれている樹木の根系調査も行っています。海外ではタイ王国で、マングローブ林の修復に関する調査を行っています。

項目
(主に、小見山)
内容
落葉広葉樹の地上部・地下部の相対成長関係の構築による森林の炭素固定量の推定 現在、地球温暖化が問題となっているが、森林の炭素固定機能の評価には、樹木がどれくらい炭素を固定しているかを知る必要がある(積み上げ法、気象学的方法、光合成法)。積み上げ法では、森林を伐採して重さを量るわけにはいかないので、予めいくつかの樹木個体を伐採して、樹木の一部の形状(胸高直径や樹高など)を測定し、重さとの関係を求めておく。地下部についても検討する必要がある。相対成長関係に地域の差や種間の差がなければ、汎用性の高い推定式を広い地域で利用することが可能となる。ちなみに、重量を炭素の量に換算したい場合は、その換算係数を掛けるのがもっとも簡便な方法である(種間差は存在する)。樹木乾物重:CO2:炭素のみ=2:44/12(3.7):1

土を捉まえる根
タイ王国におけるマングローブ資源量に関する調査 マングローブの一種の根 マングローブ林は海岸や河岸沿い成立するため、土壌が柔らかく、嫌気的であるため、根系が発達している。落葉広葉樹林に比べると、地下部の相対成長関係の重要性が高い。マングローブ林は地球温暖化によって引き起こされる海面上昇の影響を最も強く受ける植物群落の一つである。通常の土壌堆積速度を上回り、海面が上昇すれば、呼吸根(気根)などの水没などにより枯死したりすることが考えられている。水(流)による炭素(枝・落葉等)の移動があるため、炭素収支を計算するために必要な要因が非常に多い。
項目
(主に、加藤)
内容
つる植物の生態 つる植物の生態を調べています。川窪先生(多様性生物学)と共同研究を進めています。
つる植物の光屈性(生物の教科書には屈光性と表記されることもある)を中心として研究をしています。
付着根という根を出して樹木によじのぼるつる植物には、光屈性について非常に興味深い特徴があります。
光屈性
半寄生植物・着生植物に関する研究 ヤドリギや着生植物は、手が届かないことなどから、その生活史や成立条件などに不明な点が多い。まずは、その生態などの基本情報を集める作業をしている。 木から森の下を見下ろすと
岐阜県の植生構造の解析 モミの分布の推定 メッシュ気候データなどを用い、とくに中間温帯林(主にモミの分布)を中心として解析を始めている。GIS的解析である。



 外部リンクですが、研究室から大学はいま(岐阜新聞、平成13年7月29日朝刊)もどうぞ(応用生物科学部に改組する前の旧農学部時代のものです)。
当研究室が紹介されています。



(2005.12.12更新)


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