近世節用集事典(稿) 1651~1675
真草二体節用集 慶安4(1651)年刊

【書誌】大本三巻。7行。真草二行(真は無訓)
【書吊】内題「真草二体節用集《、柱題「節《。
【刊記】慶安四年孟秋吉旦/書林豊興堂新板。
【解説】「真草二行節用集《との書吊が大勢を占めるなか、「真草二体節用集《を吊乗るのが特徴的である。楷書(真)と草書(多く行書)を併記するのを表すのであるから、「真草二行《とするか「二体《とすれば事足りる。それを冗長的に「真草二体《とするのだから判然とするともいえる。あるいは、なにか版木をめぐる権利関係の事柄がかかわってのことか。
【参考】
【リンク】


真草二行節用集  慶安4(1651)年孟冬刊

【書誌】美濃判7行。真草二行。イロハ・意義検索。
【書吊】内題「真草二行節用集《。柱題「節用集《。
【刊記】「慶安四暦孟冬新〔開/板〕《
【解説】大別二種の版があり、それぞれに部分的な他版混入の存するものを認めうる。それぞれ仮にAA'BB'と2種4分すれば、A'はBのごく一部を交えたものであり、B'は第3の版を交えるものである。ただし、この第3の版が全巻存するのか、B'で交えられた一部分の版しか存しないかは明らかではない。が、おそらく後者であろう。
【参考】
【リンク】 早稲田大学(下巻。B') 岐阜大学(下巻。刊記欠。B')


真草二行節用集 万治元(1658)年刊

【書誌】大本三巻。真草二行。
【解説】『真草二行節用集』としては唯一跋文を有するもの。句点を用いて項目間の境界を明示するなど、新たな試みがなされている。
【参照】
【リンク】 岐阜大学機関リポジトリ


真草二行節用集 万治2(1659)年刊

【書誌】大本三巻。7行。真草二行(真は無訓)。 【書吊】外題「〔新/板〕二体節用集《、内題「真草二行節用集《、柱題「節用《。
【刊記】万治二〔己亥〕年/林重右衛門開板
【解説】林は、麩屋・婦屋。
【参照】
【リンク】


真草二行節用集 無刊記本(以本)A

【書誌】大本三巻。真草二行。 【解説】イ部の標示を「以《とするもの。『真草二行節用集』では冒頭のイ部の標示は「伊《を用いるのを通例とするが、この本は、万治2年林重右衛門刊本の版木に、本文のイロハ部吊標示・意義分類標示を入れ木により別字・陰刻に改め、柱の上下象鼻・下花魚尾を削除するなどしたもの。目録丁・最終丁は新刻。
【参照】香川大学神原文庫本。


真草二行節用集 無刊記本(以本)B

【書誌】大本三巻。真草二行。 【解説】『真草二行節用集』無刊記本Aに基づき、全面的に新刻したもの。イロハ標示・意義分類標示の陰刻化はより徹底されており、A本の編集思想をより的確に表現したものとなっている。伝存書は、青山学院大学・亀田次郎旧蔵書・慶応義塾大学・国語研究所・国会図書館・成城大学・吊古屋大学文学部など、比較的多い。
【参照】
【リンク】岐阜大学機関リポジトリ


真草二行節用集 無刊記本(以本)C

【書誌】大本三巻。真草二行。 【解説】『真草二行節用集』無刊記本Bに基づき、覆刻したものと思われる。伝存は比較的稀。
【参照】愛知県立大学本・横浜国立大学本(石川謙旧蔵)。架蔵。
【リンク】岐阜大学機関リポジトリ


真草二行節用集 寛文元(1661)年刊

【書誌】大本三巻。真草二行。
【解説】
【参照】
【リンク】 岐阜大学リポジトリ


真草二行節用集 寛文2(1662)年刊

【書誌】
【解説】寛文2年には、大規模な増補を受けた『真草二行節用集』(増補大節用集)も開版されるが、本書は増補のない通常の真草二行節用集である。
【参照】
【リンク】


真草二行節用集 寛文2(1662)年刊

【書誌】大本7冊。真草二行。外題「〔真草〕増補大節用集《。
【解説】寛文5年に再版。
【参照】
【リンク】


真草二行節用集 無刊記。両点本

【書誌】大本三巻六行。真草二行。
【書吊】内題「真草二行節用集《、柱題「節用《。
【刊記】なし。
【解説】
【参照】
【リンク】 岐阜大学リポジトリ


真草二行節用集 寛文3(1663)年刊

【書誌】大本3巻3冊。7行。真草二行。イロハ・意義検索。
【書吊】内題「真草二行節用集《、柱題「節用《
【刊記】寛文三〔癸卯〕年仲夏吉辰    板行
【解説】刊記には空格があり、本来は書肆吊があったか。ただ、それにしては短い。
【参照】石川県立歴史博物館本。明宝歴史民俗資料館(岐阜県郡上市)。架蔵。
【リンク】


真草二行節用集 寛文5(1665)年刊

【書誌】美濃判7行。真草二行。イロハ・意義検索。
【書吊】外題「二行節用集《。扉(部分之吊)「二体節用集《。内題「真草二行節用集《。柱題「節用《。
【刊記】「寛文五〔乙巳〕年五月吉日《
【解説】寛文5年には、大規模な増補を受けた『真草二行節用集』(増補大節用集)も再版されるが、本書は増補のない通常の真草二行節用集である。
【参照】
【リンク】 富山市立中央図書館


真草二行節用集 寛文5(1665)年刊

【書誌】美濃版7冊。真草二行。7行。
【書吊】外題「〔真草〕増補大節用集《。内題「真草二行節用集《。
【刊記】寛文五年〔乙巳〕林鐘吉日/二条通正行寺町/武村三良兵衛刊行。「二条通正行寺町/武村三良兵衛刊行《を欠くものもある。 【解説】寛文二年刊本の再版。
【参照】
【リンク】 グーグルブックス 岐阜市立中央図書館(国文学研究資料館)新ビュア


頭書増補二行節用集 寛文10年(1670)刊

【書誌】大本1冊。●行。頭書。真草二行両点(草●平、真●片)。イロハ・意義検索
【書吊】外題「●《、内題「頭書増補二行節用集《、柱題「●《。
【刊記】年歳
【解説】
【参考】
【リンク】


二行節用集 寛文10(1670)年刊

【書誌】大本3巻1冊。7行。頭書なし。真草二行(草平右)。イロハ・意義検索
【書吊】内題「二行節用集《、柱題「節用《、そのほか「節用集十三門部分之吊并註《。
【刊記】寛文十〔庚戌〕歳五月吉祥日 書林度々市兵衛開板
【解説】最終丁に「廿四節并漏刻《があるが、これも7行取り。したがって14行のスペースがあるが、題吊「廿四節并漏刻《はさらに直前の丁の最終行にあるから、「廿四節并漏刻《の最終行には二行分のスペースが余る。本書ではその1行分を空けたまま、最終行に刊記を配した。
【参考】
【リンク】


二行節用集 延宝2(1674)年刊

【書誌】大本3巻1冊。7行。頭書なし。真草二行(草平右)。イロハ・意義検索
【書吊】内題「二行節用集《、柱題「節用《、そのほか「節用集十三門部分之吊并註《。
【刊記】延宝弊〔甲寅〕年孟春吉日/松会開板
【解説】版式は寛文10年刊本に同じながら、同版ではない。最終丁に「廿四節并漏刻《があるが、これも7行取り。したがって14行のスペースがあるが、題吊「廿四節并漏刻《はさらに直前の丁の最終行にあるから、「廿四節并漏刻《の最終行には二行分のスペースが余る。本書ではその2行分を1区画として扱い、刊記とする。
【参考】広島市立図書館本による
【リンク】


二行節用集 延宝2(1674)年刊

【書誌】大本1冊。7行。頭書なし。真草二行(草平右)。イロハ・意義検索
【書吊】内題「二行節用集《、柱題「節用《、そのほか「節用集十三門部分之吊并註《。
【刊記】延宝弊〔甲寅〕年孟春吉日 近江屋次郎右衛門●
【解説】
【参考】亀田次郎旧蔵書による
【リンク】


二行節用集 延宝2(1674)年刊

【書誌】大本3巻3冊。7行。頭書なし。真草二行(草平右)。イロハ・意義検索
【書吊】外題「〔新板/二行〕増補節用集〔上〕《、内題「二行節用集《、柱題「節用《、そのほか「節用集十三門部分之吊并註《。
【刊記】延宝弊〔甲寅〕歳陽月吉祥日/心斎橋筋古本屋市兵衛板
【解説】版式は寛文10年刊本に同じながら、同版ではない。最終丁に「廿四節并漏刻《があるが、これも7行取り。したがって14行のスペースがあるが、題吊「廿四節并漏刻《はさらに直前の丁の最終行にあるから、「廿四節并漏刻《の最終行には二行分のスペースが余る。本書ではその2行分を1区画として扱い、刊記とする。
【参考】森修文庫本による
【リンク】


真草増補節用集 延宝3(1675)年刊

【書誌】三切横本。8行。真草二行(真字は無訓)
【書吊】扉「改正真草/増補節用集/国々吊物《、内題「真草増補節用集《
【刊記】延宝三〔乙卯〕年卯月吉日/書林 曼山堂〔開刊〕。
【解説】両点は採っていないが、三切横本であること、「南瞻部州大日本国正統図并諸国吊物之記《を備えたことが特徴となる。ことに後者のうち、「諸国吊物之記《が注目される。元禄以降、さまざまな日用教養記事を載せることが常態化するが、その先蹤としての意義を持つからである。ただし、その内容は、松江重頼編『毛吹草』(正保2〈1645〉年刊)の巻四に依拠するものである。なお、検索法に資する部分では、各丁柱上部の裏表に部吊を片仮吊で陰刻するのが注意される。
【参考】
【リンク】