2003年12月    

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・銀座松屋の古書展、最終日の新宿伊勢丹、何も買わず。不忍池でカモやユリカモメを撮る。

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・昨日の見送った節用集(1冊本)と同じ刊年の既蔵書(2冊本)、あらためて見ると、かすれが目立って読めない部分もある。見送った本は中は綺麗だったし、装訂も異なるので有ってもよいかも。しばし考えて、送本を依頼する。

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・大阪駅上の大丸で古書展。久々。思っていたより小規模。別の古書展の印象ととりちがえたか。戦前の国語辞書・新語辞書、雑誌付録の料理書などを買うのみ。節用集は一冊だけ気になったけれど見送る。
・実は、近々また上京するので、先回上京のおりに東京・神戸間の往復乗車券を購入しておいた。必要なのは大阪までだけれど、往復割引が効いて東京・大阪間をそのまま買うよりちょっとだけお得。もちろん、有効期間も延びる。
・で、せっかくなので三宮へ(笑)。センター街の古本屋で未収の節用集を購入。ちょっと高めだったけれど、17日の三冊で十分に引き合うと考えました。

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・まだちょっと痛い。

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・うう。ちと腰痛し。歩きすぎもあるけれど、宿のベッドが柔らかすぎたか。思えばこのところ出張続き。11月はじめに東京、1週おいて松本、また1週おいて仙台、翌週は津、その翌週は大阪、そして今回の埼玉・東京。
・ところどころに雪が残る。

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・午前中、神田の新宿展に。和本が少なくてびっくり。新宿展の傾向なんですね。
・ついで東博の資料館。鶯谷から行ってみる。思ったより鳥がいそう。肝心の資料はマイクロに撮られていないとのことなので見られず。申し込んでから一ト月後に閲覧になるとか(涙)。ただ、持参した類似資料のコピーと対照はしてもらった。ほぼ同趣のものらしい。複写料は安め。でも、一定量申し込みがたまってから発注するので3カ月かかることもあるとか。
・午後は公文書館。こちらはスムーズ。静かながら内に活気を秘めるスタッフ、カップのコーヒーの安さ(笑)、大物も入るロッカー(助かった!)、きちんとお湯がでる蛇口で好印象。アンケートの中にも、スタッフの対応を聞く項目があったのは感銘。
・でも歩きましたね。へとへとになって帰岐。

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・旧大宮市内で用事。十数年ぶりに大宮駅から参道方面に歩く。とある商店街を歩くと、アンティックを売りにしている店がけっこう目についた。古本屋も。また散歩に行くよ。

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・あれ? 積雪20センチ近いではないですか。ともあれ上京。

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・午後から雪。10センチ程度の積雪らしいが、風があって雪が舞う。上京は明日の昼にする。

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・日曜の3冊のうち、節用集の1冊には刊年がありました(^^)v。刊行書肆と売広書肆(だと思います)を見開きで示すところに、広告4丁がはさまれていて見落としたのでした。これで既蔵書と同一だったことが分かったけれど、状態はかなりよいので重複しても意味あり。倭玉篇は真草両様を示す横本で9行4段。付訓は平仮名。

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・日曜の3冊。こわごわ値段を聞けば、大いにほっとする回答。まだ運は尽きてない?
・「私の隣に住んでいる人」のような表現を見た気がするのだけれど、捜しても行き当たらない。自分なら「うちの隣に〜」となりますが、つい言っているかもしれない微妙な表現だなと思って。

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クリックで拡大します ・さて、運試しの「節用集」、やってきました。ハズレ。いや、物は来るのだから、空籤なしかな。節用集の付録記事を一冊にしたようなもの。小さな小さな大雑書でした。あぁあ。文運、ここに尽きる?
・転んでもただ起きてはいけない。「病気占い」がちょっと面白いかも。病気になった日によって、回復するかどうかを月の大小などもからめて「治(じ)すべし」「し(死)すべし」「早(はや)くよし」「治しがたし」の四つに判じる。でもなぜ、「馬・禄」字を用いるのか、そしてそれを回転させて結果を示すのはなぜか。直接「治・死・早・難」とかで表した方が分かりやすいのに。そう書いたら占いのまとう謎的雰囲気が失われるから? 結果は4通りだけなので「馬」字だけでも表せそうだし……
・卒論中間発表、ゼミ忘年会。

シメ。ちょっとこわめな顔。クリックで拡大 1214
・早朝から京都御所をふらふら。特別公開がなければ、まず観光客も地元の人も来ない。広々。東北にあるバードバスがすばらしかった。シメ・アトリ・ビンズイなど冬の小鳥たちが次から次へと水浴びしていく。近くにシロハラも。もちろん、シジュウカラもやってきて賑やか。あとは賀茂川に出てユリカモメ。愛らしくも上品な顔だちですが、おじさんがエサをまきはじめた途端…… お蔭で間近で撮影できましたが。
ユリカモメ。クリックで拡大 ・古本屋さんも三軒ほど。とある一軒で、幕末の節用集2冊(刊記はあるけど刊年が記していないもの。明治刷り?)、巻頭巻末が欠けた倭玉篇1冊など。店主不在とのことで、後日値段を聞くことに。

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・阪大で語彙史研究会。別に文法関係の講演会があり、講師は鈴木重幸氏とのこと。懇親会場は、待兼山会館(きれいになった!)の上階と下階(語彙史)。懇親会中、鈴木氏が語彙史の方にも来られて挨拶。かの『日本語文法・形態論』の著者の謦咳に接することができた。
・二次会まで参加したので宿泊。骨休めもかねて。大阪港の野鳥園もよいけれど、水鳥は年末年始の実家での楽しみにとっておく。ビンズイ目当てで京都御所ねらい。京都泊。ところが、阪急の終電が意外にも23時代なんですね。ちょっとびっくり。少々あわてました。

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・マンション経営勧誘の電話。「佐藤先生でございますか?」。いきなりむっとした。
・集中講義のシラバスの依頼。締め切りは年明けながら、乗っていたので書いてしまう。
・院生時代、同じアパートだった方から出版関係の研究会のお誘い。嬉しいことです。

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クリックで拡大 ・別のイロハ韻(享保5年刊)を。やはり目次の進行は段ごとに左へ。でも、上部の書名「魁本〜」ほかは完全な縦書き。いえ、この目次も縦書きではあるのですが。図版左半分にあるように、上段・下段ごとに本文が展開ていくので、目次もその影響を受けて段ごとの展開なのでしょうけれど。
・それにしても、見返しに「魁本正字群玉伊呂波韻大成」とあるものが、内題(本文冒頭)では「改正新広増益以呂波雑韻」とは。私などは困ることもあるけれど、こうも書名が異なると、かえっておおらかさに感心します。
・古書目録あり。「節用集」とだけ書名を記されたものが売価2000円。さて何でしょうね。一応「江戸期」とは書いてあるのですが。ちょっとコワイけれど運試しに注文してみる。年末ジャンボ代わりに。

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・レギュラーコーヒー中挽き400g入缶を買って使い切った。同じく400g入の袋詰めを買ってきて、移し入れる。と、入りきらずに余る。なぜ? それ以前の問題として、せめて焙煎済みの豆を買ってきて、淹れる直前に挽くようにしないと。ところで、コーヒー、モカは性にあいませんね。酸味がどうも。

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・蔵書中の、享保版かとみえるイロハ韻が面白い。表紙見返しにある目次のイロハ順が、縦ではなく横に進んでいくんです。七つ示すと下の段へ(ただし、類例は他の本でもあり)。ほかにも、「三十五」を「三五」と記したり、「・」で「百」の代わりにしたり。だから「二百」は「・・」。図版参照。虫食いがちょっとひどいので、食事中の方や神経質な方は御遠慮ください。

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・冬らしい鳥を見たいと思いつつ、近場で探鳥。ヨシガモ・ツグミなど。それにしてもオナガガモがよくいる。昨シーズンはこんなに来ていなかったような。そういえば構内にいたジョウビタキのメス、今年はまだ来ないみたい。

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・三重大学で研究会。ちょっと寝不足続きで、腰も痛くなってきたので、前半で失礼する。ただ、折角来たので名古屋の古本屋へ。実は、東京に出るときも岐阜羽島からの新幹線回数券を利用するので、名古屋で途中下車しないものですから。
・1750年前後の節用集二冊入手。かなり嬉しい (^o^)v ただ、一冊は先々月、奥付の欠けたものを同じ値段で買ったのでちょっと複雑な心境だが、刊記があることを重んじてヨシとしましょう。
・いやいや、ちょっと珍品かも。奥付には宝暦二年改正とあるんだが、「今上皇帝」は「宝暦一三癸未十一月廿七日御即位」だし、「京都御諸司代」は「土井大炊頭」で、宝暦の次の年号で「明和六ヨリ」と書いてある。毛色の替わったやつらしい。

クリックで拡大します 1205
・架蔵の『文会節用集大成』、奥付には文政ニ(1819)年補刻とある。が、所掲の「改正年代記」の最新記事は明和年間(1764〜72)のもの。ここまではいい。単に更新しそびれたんだろう。ところが、その年代記、明和「十一」年の欄まで印刷されているのはショック。明和は九年までしかないのだから!
・よくみると明和五年の記事欄からは空白になっている。とすると、そのあたりに改刻し、ついでに「十一」年まで書いてしまったものと推測されるが。
・で、武鑑(諸大名等の名鑑)の記載を確認すると……
  京都所司代 久世出雲守。安永六(1777)年から天明元(1781)が在任期間。
  京都町奉行 赤井越前守。安永三年から    天明二年。
        土屋伊予守。安永七年から    天明七年。
 とするとこの部分は安永七年から天明元年に改刻されたらしい。厄介だなぁ。

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・いやしかし、時間は飛ぶように過ぎていきますね。そんな風に感じるのは年のせい?
・節用集の購入、数だけはお蔭様で。ただ、購入時期に極端なかたよりがありました。1冊も買わなかった月が2・3・4・6・7月。1月は1冊、5月は2冊。8月に5冊買ってから調子付いたのか、無意識に閾値を低くしたのか、9月3冊、10月6冊、11月も6冊。状態のよいものに買い換える場合が多かった。それはそれでありがたいのだけれど、やはり未収・未知のものに出会いたいことです。