和田 広幸「波浪予報モデルの構築と運用」

近年大型台風による高波や地震津波などが原因で大規模な海の事故が発生し,安全面での波浪予測情報にニーズが高まっている.一方岐阜大学環境エネルギーシステム自然エネルギー研究室では2005年6月より気象庁長官より認可を受け,メソ気象モデルMM5による局地気象予報が始まった.波の予測に必要な風の情報を気象予報で用いている高精度なMM5データを用いることで,波の高精度予測が可能になる.  本研究では入力データにMM5海上風データ,計算モデルに弟3世代波浪推算モデルSWANを用いた波浪予測モデルを構築した.また気象庁観測データを用いてその精度検証を行った.さらに潮位情報を予測するための計算モデルとして国立天文台潮汐モデルNAOの潮位計算結果の精度検証を行った.最後に,局地気象予報に追加して中部圏域の波浪情報を公開するシステムの構築を行った.  結果として波浪予測モデルは中部圏域では観測値と比較してある程度高精度であるという結果を得た.またNAOによる潮位予測も十分に高精度である結果を得た.そして予測結果を用いた予報公開システムを構築,現在は試験的な運用を行っている.