野村 和史「波浪推算のための風況データベースの構築」

日本は四方海に囲まれた島国である.近年,海上空港をはじめ海岸沿岸域の開発・利用・防災が進んできている.こういった海岸沿岸域の開発・利用・防災のためには,支配的な自然条件である波浪情報を正確に把握することが最も重要であるといえる.  本研究では今までの波浪推算に使用していた風況データよりも高精度をもつ風況データのデータベースの構築を目的とする.気象データにECMWFの再解析ERA40を用いた.そしてメソ気象モデルMM5を使用することにより水平格子間隔・時間間隔をERA40よりも細かくした.このような手法をとり,ERA40よりも高精度な波浪推算のための風況データベースを作成した.期間は,1956年9月1日から2001年8月31日までの約45年間にわたるデータである.  地形データの解像度の違いと同様に,水平格子間隔が細くなることで風況データの精度もあがると考えられる.このように水平格子間隔・時間間隔をERA40より細かい風況データを約45年間にわたり算出し,高精度な長期間の風況データベースの構築をしたことを示した.