近年,波浪推算の精度は向上しWAMモデルなど第三世代波浪推算モデルをはじめとしての利用・開発が国内外で行われるようになっている.また,推算精度を向上させるために物理過程表現の改良やデータ同化手法の導入も試みられている.データ同化手法とは数値解析モデルに現地での観測結果を適用して解析結果を修正する手法であり,現在,データ同化波浪推算モデルの開発が進められている.
そこで,本研究ではHersbach(1998)らによって開発された既存のデータ同化波浪推算モデルADWAMの特性を明らかにする.そのために,ADWAMを日本海波浪に適応させて計算を行った.データ同化ポイントに用いた秋田,浜田で改善が見られただけでなく,他の地点である輪島,金沢,酒田でも多少の改善が見られた.また,同化変数である9つのパラメータの内5つが修正されていることが分かった.