1995年の気象業務方の改正,に伴い,気象庁以外の一般研究機関においてもリアルタイム気象予測が行える環境が整ってきた.我が研究室においてもメソ気象モデルMM5を用いて計算を行い,その予測結果を一般公開するための準備を進めている.また近年では,様々な気象情報に対するニーズに対応すべく気象予測モデルの高精度化と,高解像度化に注目が集まっており,気象情報のあり方も形を変えつつある.しかし,我が国を対象とした気象予測モデルの計算精度の検証例は,数が少ないのが現状で,その有用性について検討する必要性は大きいと考えられる.
そこで本研究では,現在世界で最も普及しているメソ気象モデルMM5,現在米国で開発が進められている次世代気象モデルWRF,気象庁の現業予報モデルRSMを用いて,気温,風速,風向について比較検証を行い,その特性について検討を行った.そして,MM5について,解像度をあげた場合におけるモデルの持つ精度の比較についても検討を行った.その結果,気温はWRFがRSM及びMM5に比べて高精度に,風速はRSMがMM5及びWRFに比べて高精度であるという結果を得た.