Laboratory of Crop Production Science

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 食糧は,空気や水と同じように,人類に必要で不可欠なものです.食糧の生産は,気象の影響を強く受けますが,最近この気象条件が地球規模の環境変動(温暖化)によって大きく変化しようとしています.実際,中国では2003年に,長江流域で高温による水稲の不稔が大発生し,品種によっては収量が半減しましたし,オーストラリアでは水不足のため,水稲の作付面積が急激に減少してきています.
 一方で,人口の圧力に応じて,進歩を続けてきた食糧の生産は,土壌の酸性化,メタン,NO等,温暖化ガスの発生を通じて,地球環境に負の影響を与えつつあります.私たちの豊な生活のしわ寄せが,貧しい国や未来の子どもたちへできるだけ及ばないようにするための作物の改良と,食糧の生産法の確立が必要です.
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熱風にさらされるオーストラリアの水田(上).直接熱風が当たる周縁部では,登熟期になってもほとんどの籾が実らない(下).