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装置の概要
走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、測定試料と探針間に働く原子間力またはトンネル電流を検出することにより、試料の表面のミクロな部分の形状、摩擦などの情報を得るものである。当センターの走査型プローブ顕微鏡はセイコーインスツルメンツのSPI3800で、試料の大きさは45
mmx45 mmx5 mm程度、面内に0.2 nm、垂直方向に0.01 nmの装置分解能をもち、条件によっては原子レベルの観察もできる。ユニットの交換により、原子間力顕微鏡(AFM)、走査型トンネル顕微鏡(STM)、摩擦力顕微鏡、走査型電気化学顕微鏡、マイクロ粘弾性AFM(VE-AFM)などの測定が可能であり、液中(溶液量は1
mL以下で測定可能)、温度可変(-140℃〜300℃)および真空下で測定する設備を備えている。
システムは装置制御とデータ処理を行うプローブステーションおよび2台の測定ユニット、多機能型ユニットSPA400と環境制御型ユニットSPA300V、からなる。AFM測定など多くは両方のユニットで測定可能だが、電気化学顕微鏡はSPA400デュアルポテンショスタットで、真空中および温度制御にはSPA300Vを用いる必要がある。それぞれ、光学顕微鏡を備え、装置の調整、試料の位置合わせが容易にできる。データ処理部(DELL
OptiPlex GXa, DOS/V, Windows95)は高速フーリエ変換(FFT)を始めとする各種のフィルタおよび画像解析プログラムをもち、視覚に訴える3次元画像を作成し、フルカラーでプリント(EPSON
PM-750C)することができる。
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