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PIV(Particle Image Velocimetry)

機器分析室5(持運び可)

 
 

  岐阜大学生命科学総合実験センター機器分析分野の高速度撮影装置群に新たにPIV(Particle Image Velocimetry)システムが導入されました.このPIVシステムは,短い任意の時間間隔をあけて2発のレーザーを発信することのできるダブルパルスYAG-Ndレーザーと高解像度クロスコリレーションカメラを組み合わせることにより,高速なガス流動の2次元速度場情報を瞬時に得ることができます.また,コンパクトな仕様になっており,各研究室へ直接持ち運んでの利用が可能です.レーザーをシート光にするための光学系がレーザーヘッドに標準装備され,かつ撮影した粒子画像から速度場を算出するためのプロセッサも用意されていますので,特別な訓練もなく,すぐに研究に適用できるのが特徴です.

 また,従来の銅蒸気レーザーと並んで,レーザー単独で高速度カメラ用光源として利用することもできます.具体的にどのような測定ができるかを見ていきましょう.

PIVについて:
  PIVは、短い時間間隔をあけて追跡粒子にレーザーを打ち込み,その反射を撮影することで,瞬時に測定対象の速度場の2次元情報を得ることができる測定方法です.クロスコリレーションカメラは,通常のカメラでは撮影不可能な非常に短い時間間隔(>2μsec)の2画像を撮影することが可能です.このため,ダブルパルスレーザー照射のもとで,測定対象に追跡粒子を混入して撮影すると,わずかにずれた2枚の像が得られ,これらの相互相関を計算することで,2次元速度場情報を求めることができます.この速度場の情報を元に渦度分布,流線の様子を見ることも可能です.下の例は,乱流噴流火炎の燃料中にトレーサーを混入して,流れ場の測定を行ったものです.激しく火炎が噴き上げている場での,速度分布および渦度分布が明確に捉えられていることが分かります.

図1 ダブルパルスレーザーの発振とクロスコリレーションカメラの露光時間との関係

 

図2 乱流噴流火炎の速度場.画像Aと画像Bとのわずかな違いから速度場を計算します.

2004.5.12 戻る