装置の概要
質量分析装置は、超伝導核磁気共鳴装置とともに、特に有機化合物の構造解析に威力を発揮する。分析に必要とされる化合物の量は数ナノグラムで、その試料分子に由来するマスフラグメントへの開裂パターンを測定し、試料の同定,定量を行うことができる。
日本電子(株)製のJMS-700/GI は、イオン源をはじめとする各種パラメータのオートチューニング機能を搭載した、フルコンピュータコントロールを特長とする高分解能分析計です。ルーチン測定はもとより高分解能測定など、あらゆるモードに対して高品質な分析結果 が容易に得られます。 高いイオン収束作用をもつQレンズを用いており、従来形装置と比べて同一分解能条件における使用可能スリット幅を広く設定でき、超微量高感度分析が可能。さらに、高加速イオン源と高電圧印加コンバージョンダイノード形イオン検出器を装備しており、正負イオンの高感度測定に極めて有効です。分解能は、60,000以上です。高質量領域においても正確に質量決定することができます。主スリット、中間スリットおよびコレクタスリットは、すべてコンピュータ制御されています。このため極めて容易な操作で測定に必要な分解能が再現性良く得られます。
日本電子(株)製のGC
Mate II GCMS systemは、中規模クラスの装置で質量分析の最新技術を全てカバーするというわけにはいきませんが、質量の測定範囲はm/zが1,000までです。分解能は5,000で、いわゆるミリマス測定が可能です。
試料の導入は、ガスクロマトグラフィーによる方法(GC-MS)とイオン源に直接導入する方法(DI)のどちらかを選ぶことができます。試料のイオン化は、電子によるイオン化法(EI)、試薬ガスを用いる化学イオン化法(CI)、Fast
Atom Bombardment(FAB)が可能です。従って、ガスクロマトグラフィーで分析可能な低分子揮発性化合物はもちろんのこと、アミノ酸等のイオン性化合物も質量測定が可能です。
チューニングとキャリブレーションはパソコンによって制御されているので、光学系を手で操作することなく、パソコン画面の操作だけで望む分解能を得ることができます。
さらに、当センターにはJMS-700 (日本電子)、JMS-AMSUN 200(日本電子)とGC Mate II (日本電子)の3台の質量分析計があります。 |