文法から学ぶとやまことば入門


とやまことば           共通語訳
・犬鳴いとる。 鳴いている。
・本φ読む。 読む。
・富山市住んどる。 富山市住んでいる。
・田中くん道で会った。 田中くん道で会った。
・シック注1服買った。 シック服を買った。
・汽車注2で 大阪φ行く。 電車で大阪行く。
・その晩、大阪から帰る。 その晩、大阪から帰る。
・これよか安い服はない。 これより安い服はない。
・このバスどこまで行くがけ。 このバスはどこまで行きますか。
注 1  富山駅前にあるファッションビル(2001 年1 月現在)。
注 2  富山方言では「汽車」はJR の電車を指し、「電車」は路面電車などその他の電車を指します。



 とやまことばで使われる格助詞は東京方言と同じく9つあります。
すなわち「が、を、に、と、で、へ、から、よ(り)か、まで」が使われます。

 

 主だった格助詞の使い方については東京方言と違いは見られません。ただ、一般 にとやまことばでは格助詞の省略が多いとされています。
 省略されるのは「が、を、へ」です。

・雨φ降っとる。 降っている。
・傘φ持っとる? 持っているか。
・どこφ行ったがけ。 どこ行ったんだ。

  「を」が用いられるのは準体助詞(→第2課)の「が」の後や特に強調したい場合などです。

・そこに置いたるが持っていかれ。    そこに置いてあるの持って行きなさい。

 

 格助詞の「が」は次のように発音されることもあります。

「な」 ・あのっさん来た。 あの人来た。
「ぁ」 ・犬鳴いとる。 鳴いている。

 このような「な、ぁ」は、音として主題を表す「は」と同じになることがあります。第3課を見てください。

 

 比較の意味を持つ「より」「よか」または「よりか」の形で使われます。

・この服よか安い服ない。 この服よりも安い服はない。
・魚よりか肉が好き。 より肉が好き。
・それよりかはこっちの方がいい。 それよりはこっちの方がいい。