身の回りのアイオノマー

 

 エチレンアイオノマーは、ポリエチレンを主鎖にもち、数mol%程度のCOOH基は部分的に中和されています。この少量のイオン基は疎水性の高分子マトリックス中で凝集(ミクロ相分離)しイオン会合体と呼ばれるナノメーターサイズのドメインを形成、汎用性高分子であるポリエチレンの性質を格段に向上させ、もとの高分子にはない新しい機能をも付与しています。
 
 エチレンアイオノマ−は、強度、成型性、熱接着性、安全性等に優れ、すでにフィルムとして食品包装材に、また種々のお菓子等のパッケージ部材として、また成形材としてゴルフボールや自動車部品等に用途をもちます。さらに最近では、化粧品容器や太陽電池部材としても、その用途を広げつつあります。

 国内では、三井・デュポンポリケミカル株式会社(新規ウィンドウが開きます)が販売を手がけており、「ハイミラン」という商標名で売り出されています。