講師:浅倉 史興 氏 (大阪電気通信大学工学部) 題目:衝撃波による電離の数学解析 概要:衝撃波管の中を伝播する衝撃波の前面:静止状態と 後面:駆動気体では,圧力とともに温度が急激に変化する。 駆動気体を十分に加速させると,9 000〜 12 000 K 程度の 状態が得られるので,気体分子の熱電離が起こる。このとき, 局所熱平衡を仮定し,静止状態と駆動気体の速度が 与えられれば,温度,粒子密度,電離度などの熱力学的な 量はランキン-ユゴニオ条件とサハの電離公式により代数的に 計算される。この講演では,福田・岡坂・藤本 (核融合研究, 19(3),1967)により提案された電離気体の数学モデルについて, その熱力学的な性質を解説する。1種類の単原子気体の場合は, 等エントロピー曲線とユゴニオ曲線の熱力学的部分の様子が かなり詳細にわかる。元の論文では,(解離した)水素と ヘリウムの混合気体について数値計算が行われているが, この場合の数学解析はまだ不十分である。