概要:様々な現象において、その変化の仕方が過去の状態(タイムラグ、履歴等) に依存することがある。このような現象は、遅延微分方程式、より広くは関数 微分方程式によって記述されることが多い。これまでの研究で、タイムラグが (タイムラグをゼロとした系と比較して)振動性や不安定性を引き起こすことや、 逆に、不安定な解を安定化させるDelay-Feedback制御などの方法論が知られている。 ここでは、タイムラグがゼロの場合には大域漸近安定なリミットサイクルをもつ モデル方程式系を考え、これにタイムラグを入れることで、有限で爆発する解を もつこと、無限個の周期解が出現することを述べる。更に、遅延が入った場合の 爆発解の数値計算法について述べ、シミュレーションの結果を紹介し、そこから 示唆される予想について述べる。